初夏は、日差しがやわらかくなり、新緑や青空など季節の移り変わりをはっきり感じられる時期です。小学生のみなさんが俳句を通じて、そんな初夏の魅力を味わうことができたら素敵ですよね。俳句は「5-7-5」のリズムと“季語”を通して、限られた言葉で季節の情景や気持ちを表す日本ならではの文学。俳句を学ぶことで、自然への感受性や言葉への興味が一段と高まること間違いなしです。
本記事では、「小学生 初夏 俳句」に興味を方(たとえば、小学生の子どもをもつお母さんやお父さん、または小学校の教師の方など)を想定し、初夏ならではの季語や情景を取り入れながら、俳句づくりの基礎や楽しみ方をわかりやすくご紹介します。ぜひお子さんと一緒に、初夏の自然を観察しつつ俳句を考えてみてください。
小学生 初夏 俳句の基本をおさえよう

小学生向けに俳句とは?
俳句とは、日本で古くから親しまれてきた詩の一種で、基本の形が「5-7-5」というリズムから成り立っています。たとえば松尾芭蕉や小林一茶など歴史的な俳人が有名です。俳句には必ず「季語」を入れて、季節感を表現する伝統があります。
小学生向けに俳句とは?
- 短くて覚えやすい
5-7-5の合計17音(厳密には音節の数え方に諸説あり)で構成されるので、小学生でも取り組みやすいのが魅力です。 - 季節の変化に敏感になる
俳句を作る際には必ず季節を表す言葉(季語)を入れるので、季節感を大切にしながら自然を観察する習慣が身につきます。 - 想像力と表現力が伸びる
限られた文字数で情景や気持ちを表現するため、言葉の使い方や想像力が豊かになります。
夏俳句の5-7-5とは?
俳句の基本形は「5-7-5」。これは5音-7音-5音のリズムで文章をつくるという意味です。小学生でも比較的理解しやすく、実際に声に出して読んでみると、リズム良く楽しく作れます。
- 例
- 「青空や ちょうちょひらひら 風と遊ぶ」
- (あ・お・ぞ・ら・や)5音
- (ちょ・う・ちょ・ひ・ら・ひ・ら)7音
- (か・ぜ・と・あ・そ・ぶ)5音
- 「青空や ちょうちょひらひら 風と遊ぶ」
小学生向けに季語とは何ですか?

季語とは、その時期を連想させる言葉のことで、俳句には必ず季語を入れる伝統があります。季語を入れることで読んだ人にもその季節感や情景が伝わりやすくなるのです。
小学生向けに季語とは何ですか?
- 春の季語:桜、菜の花、卒業式など
- 夏の季語:ひまわり、入道雲、青空、風鈴、蚊取り線香など
- 秋の季語:紅葉、秋刀魚、落ち葉、月見など
- 冬の季語:雪、こたつ、おでんなど
初夏であれば、「新緑」「青空」「爽やか」「麦わら帽子」「水遊び」などがよく使われます。梅雨に近づく時期なら「かたつむり」「紫陽花」「雨上がり」「夕立」なども季語として考えられます。小学生が俳句を作るときは、これらの言葉をきっかけに季節のイメージを広げてみましょう。
小学生 初夏 俳句を楽しむためのコツ

5月の季語の俳句は?
初夏といっても、特に5月ごろから梅雨入り前くらいまでの爽やかな季節感をどう表現するかがポイントです。下記の表では、代表的な初夏の季語・キーワードとイメージ例をまとめています。
季語・キーワード | 意味・イメージ | 例文や俳句のヒント |
---|---|---|
青空 | 雲ひとつない澄み渡る空 | 「青空に ちょうちょ飛んで 風爽やか」 など、視界が広がるイメージを表現。 |
爽やか | 心地よい風や空気、湿度の低い初夏の気候 | 「爽やかに 吹く風追いかけ 笑うこえ」など、感覚的な気持ちよさを表現。 |
麦わら帽子 | 強い日差しを防ぐ夏の定番アイテム | 「麦わらの 影の中には 笑う顔」など、帽子と子どもが遊ぶ姿をイメージ。 |
ちょうちょ | 春から初夏にかけて花や野原をひらひら舞う | 「花園を ひらりひらりと ちょうちょ舞う」など、軽やかさを強調。 |
水遊び | 川やプールで遊ぶ、涼をとる遊び | 「水遊び はねるしぶきと 子の笑顔」など、楽しい様子を短い言葉で表現。 |
かたつむり | 梅雨の時期に見かける生き物 | 「かたつむり 葉っぱの上で 何想う」など、不思議な動きを観察しても面白い。 |
入道雲 | 夏の象徴的な大きくもくもくした雲 | 梅雨が明ける時期に近いときに。「入道雲 大きさ競う 子の目線」など。 |
夕立 | 夏の午後に急に降る激しい雨 | 「夕立や 急ぎ足で帰る 傘の音」など、突然の雨の情景を切り取る。 |
風鈴 | チリンチリンと涼やかな音を奏でる夏の風物詩 | 「風鈴の 音が運ぶよ 涼しさを」など、聴覚的なイメージを取り入れる。 |
小学生向けに季語を見つけるコツ
初夏の季語を見つけるために、身近な自然に目を向けてみましょう。
小学生向けに季語を見つけるコツ
- 学校の帰り道で:青空が広がっているか、草花がどんな様子か、ツバメやちょうちょの動きに注目。
- 家の周辺で:近所の公園、散歩道、田んぼなどを観察してみる。水田に水が張られ、カエルの声が聞こえる時期もあります。
- 家の中で:風鈴を飾っている家はないか、蚊取り線香の香りを感じる機会が増えていないか探してみる。
気づいたことや感じたことをメモしておくと、自分だけの季語リストを作れます。小学生ならではの視点で「これって初夏っぽい!」と思ったものは何でも書き留めておくと、オリジナリティあふれる俳句ができあがります。
小学生 初夏 俳句を通して広がる世界

季語を活かした初夏の俳句例
すでに紹介した季語をもとに、実際に俳句をいくつか作ってみましょう。大切なのは、「どんな情景を思い浮かべるか」「どんな気持ちを伝えたいか」を考えることです。
季語を活かした初夏の俳句例
- 例1:田んぼや 緑映(は)える道 散歩する
- 初夏になると、田んぼに水が入り、青々した苗が伸びていきます。散歩道の周辺に広がる緑や、キラキラ光る水面の景色を想像してみましょう。
- 例2:麦わらの 帽子ぐらぐら 陽(ひ)をかくす
- 強い日差しから身を守る麦わら帽子。子どもがはしゃいで走り回っている様子をイメージできます。
- 例3:かたつむり 葉の先でのぞく 雨あがり
- 梅雨の雨が上がったばかりの葉の上をゆっくり進むかたつむり。一瞬の情景を切り取ってみると面白い俳句になるかもしれません。
俳句づくりに役立つ観察ポイント
俳句づくりに役立つ観察ポイント
- 目に見えるもの:青空、木々の緑、花の色、虫や鳥の動きなど
- 耳で感じるもの:セミの声、風鈴の音、雨の音、草野球のグラウンドの声など
- 肌で感じるもの:風の涼しさ、日差しの強さ、水遊びをしたときの冷たさなど
- 心の動き:わくわくする、楽しい、ちょっとさみしい……心の動きも大切な俳句の素材です。
観察で気づいたことをノートやスマホ(家族の方がサポートする場合)などにメモしておき、そこからキーワードを選び出すと俳句の種がたくさん見つかります。
俳句は日常をちょっと面白くするツール
小学生が俳句を作ると、大人が思いもしない視点や表現が生まれることがよくあります。毎日の生活の中で、「これが俳句になるんだ!」という小さな発見を積み重ねていくと、自然と表現力や語彙が豊かになっていくはずです。
水遊びの様子やちょうちょを追いかける姿、夕立に急いで帰る人々など、何気ない日常には素敵な情景がたくさん潜んでいます。
俳句を作るために外へ出て観察すると、新たな発見や好奇心が沸くきっかけになるかもしれません。
小学生 初夏 俳句をさらに楽しむ工夫

1. 身近な人と俳句を交換してみる
家族や友達と俳句を発表し合う
お互いの俳句を見せ合うと、新しい表現や視点に気づくことができます。
クイズ形式で楽しむ
たとえば「この俳句で季語はどれでしょう?」「どんな情景をイメージしたでしょう?」と質問を出し合うと盛り上がります。
2. テーマを決めて俳句を作る
初夏の生き物(カブトムシやちょうちょ、かたつむり)
夏の風物詩(風鈴、麦わら帽子、蚊取り線香、花火)
自然の音(セミの声、夕立、流れる水)
一定のテーマを決めて俳句を作ってみると、より創作しやすくなります。たとえば「セミの声 一覧」が気になるなら、セミの種類ごとに鳴き声の違いを比べ、それを俳句に取り入れると面白いかもしれません。
3. 表や一覧を活用する
「初夏の季語やキーワード」と「感じたこと・イメージ」を対比させる表を自分で作り、俳句の種を可視化しましょう。上で紹介した表のようにしておけば、俳句を作るときに迷いにくいです。
具体的な学習効果とまとめ
小学生のうちから俳句に親しむと、自然を観察する目や言葉を選ぶ力が養われます。さらに季節感を大切にする文化や、歴史的に続いてきた日本の美意識も学べるでしょう。難しそうに感じるかもしれませんが、実は短い言葉で自由に表現できるのが俳句の面白さ。初夏のさわやかな景色や、身の回りで起こるちょっとした出来事を切り取ってみるだけで、子どもたちならではのユニークな世界が広がります。
具体的な学習効果
- 自然への興味が深まる
ちょうちょやカブトムシなど生き物を観察し、季節の移り変わりを肌で感じることで探求心が育ちます。 - 国語力がアップする
言葉を限られた文字数でまとめる技術は、作文や文章表現全般にも良い影響を与えます。 - コミュニケーション力の向上
家族や友達と俳句を交換する過程で、相手の意図を読み解く力や、自分の思いを短くわかりやすく伝える力が身につきます。
俳句を通じて四季を楽しもう
俳句は春夏秋冬すべての季節で楽しめる文学ですが、初夏は特に「爽やかさ」や「生き生きとした自然」を感じ取りやすい時期です。これから本格的な夏に入る前のほんのひととき、梅雨や雨上がりの情景も含めて、ぜひ小学生のみなさんと一緒に多彩な季語やキーワードを使った俳句づくりにチャレンジしてみてください。
最後に、俳句をもっと身近に楽しむためのポイントを再度まとめます。
- 自然をじっくり観察し、自分が感じたことをメモする。
- 「5-7-5」のリズムを気にしながら、季語を生かして短い言葉でまとめる。
- 身近な人と俳句を共有し、イメージや感想を伝え合う。
- 時には、テーマを決めて集中的に俳句を考えると作りやすい。
- 表やノートを活用して季語やキーワードを整理しよう。
こうしたステップを繰り返していくうちに、俳句を作ることが楽しく習慣になり、初夏のみならず一年を通して季節を感じ取る力が身についていくはずです。言葉の世界を広げるとともに、自然を慈しむ心も育まれます。ぜひ親子やクラスメイト同士で助け合いながら、素敵な「小学生 初夏 俳句」をたくさん生み出してみてください。