
「子どもが学校生活に合わなくて不登校になってしまった…」
「先生にすぐに叱られているけど、本人は全然意味が分かってなくって…」
「提出物をいつも忘れてしまって、友達から浮いているようで…」
ADHDの特徴で学校が馴染めない…というお悩みはありませんか?
子どもが「学校生活に馴染む」ことができずに不登校になってしまうことがあります。
「馴染めない」とは様々な要因がありますが、一つに「発達障害」の傾向があるのではと見立てて、子どもを支援することができます。
特に注意欠如多動症(ADHD)の傾向があると本来持っている傾向だけでなく、その後の学校環境と合うことできずに、結果として不登校になることがあります。
ADHDだから私の子どもの将来は心配?と思ってしまうでしょう。
心配しないでください。
まずは親子がADHDや発達障害のことを理解し、その子に合ったサポートをしていくことで、
子どもがストレスなく学ぶことができるのです。
そのうえADHDの子どもが持つ問題は、逆に社会の中では独自の才能として捉えられ活躍できます。
不登校になるのはADHDの生きづらさがあるものの、
ADHDの特徴を理解し・適切なサポートをすることができれば、
将来その子の持ち味を発揮した生活をすることができます。
そのためにはADHDを知り、その子に合った支援を行うことがポイント。
この記事ではADHDで不登校になってしまった、なりつつあるという保護者に向けて、家族にできる5つの支援方法を解説します。
5つの支援方法は?


ADHDが不登校になったときに、家族でできる支援は次の5つです。
まずはADHDのことを知りましょう。
ADHDとはどのような障害?
ADHDという言葉が最近は聞かれるようになりました。
ADHDはAttention Deficit Hyperactivity Disorderの略語です。正式には「注意欠如・多動症」
ADHDの中でも「不注意」傾向が強いのと「多動性・衝動性」傾向が強いタイプに分かれます。
ADHDは発達障害の一つです。
他に自閉症スペクトラム(ASD)や学習障害(LD)があります。
こちらの記事には自閉症スペクトラムとタブレット学習の関係を解説しました。


不注意傾向と多動傾向


「不注意」傾向は忘れ物が多く、注意散漫でボーっとしやすい子どもが当てはまります。
普段は教室でも大人しいため、一見して特性に気づかれにくいです。


「多動性・衝動性」傾向が強いタイプでは、授業中に離席が多かったり、落ち着いて勉強することが難しかったりする面があります。
総合するとADHDの子どもには以下のような具体的な特徴が見受けられます。
・忘れっぽい
・集中力が続かない
・感情のブレーキがきかない
・待つことが苦手
・宿題や提出物を忘れる
・ささいなことでカッとなる
・整理整頓ができない
これらの特徴は社会生活、特に学校での生活とは相性が悪い面が多くあります。
後で紹介する2次障害とも関連することがあるので留意しましょう。
他の発達障害の特徴を併せ持つことも


ADHDの特徴を持っている子どもは他の発達障害の特徴を併せ持つこともあります。
他の発達障害とは自閉症スペクトラム障害(ASD)・学習障害(LD)です。
自閉症スペクトラム障害(ASD)は対人関係が苦手・強いこだわり持っている・特定の興味や関心しかないなどの特徴があります。
学習障害(LD)は全般的な知的に遅れはないけれど、聞く、話す、読む、書く、計算する推論する能力のうち特定のものの習得と使用に難しさがあります。
注意欠如や多動だけでなく、自閉的傾向や学習への難しさを持っているということを留意しておきましょう。
ADHDの子どもの二次障害は?


上に挙げたような障害や問題行動だけでは、学校生活がすぐに不適合を起こすことはありません。
しかしADHDの子どもには二次障害を受けるという側面もあります。
ADHDの二次障害には、例えば上のような特徴から授業に集中できず離席をしてしまったことを先生から理由もわかずに叱られることが繰り返されます。
初めは本人でも改善しようと頑張ってみるもののこれは障害からくる特徴の一つなので難しい部分が大きいです。
結果「叱られる」ことが繰り返され、本人が自信を失い、学校生活が不安になってきます。
結果として「学校が好き」という思いが次第に薄くなってくるのです。
「学校でなんで行くの??」という思いへの変わっていきます。
学校という場所の特質を考えると理由もわかります。学校は集団での生活を重視する場所だからです。
学校生活への不適合は「先生との関係」だけでなく「子どもの間」でも生じます。
不登校の子どものための5つの支援や対応は


不登校のADHDの子どもを家族でできる5つの支援は次のものがあります。
・家族内でよく話をする。
・ADHDや発達障害を学ぶ。
・学校と連絡を取り合う
・将来について調べる
・学習をサポート
家庭を過ごしやすくする


ADHDの不登校の子どもを支える支援として「家庭を過ごしやすくする」ことです。
なぜなら今の不登校になった子どもの状態は大きく自信を失っているからです。
何か挑戦をして自信をつけるという段階ではありません。
学校での生活ではすっかり自信を失ってしまいました。
今子どもに必要なものは安心できる場所です。
家族が子どもにとって安心できる仲間として支えることができれば心の安定は取り戻せます。
初めは心のエネルギーが無い状態ですが元気なってくればたくさんコミュニケーションをしましょう。
今、どんなことを考えているのか? 何に興味があるのか?
ちょっとしたことでも今思っていることを共感的に聞くと、知らない間に成長しているのを実感できるでしょう。
不登校になった時のコミュニケーションは重要かつ、丁寧に行うことが必要です。
親切心から色々と助言をしたくなりますが、ポイントは子ども自身の言葉をどう引き出すかです。
こちらの記事では子どもの言葉を引き出すコミュニケーション術をまとめました。


ADHDや発達障害を学ぶ
ADHDの不登校の子どもを支える支援として「ADHDや発達障害を学ぶ」ことです。
なぜならこれまで通常の子育ての範疇で子育てしてきた中での問題点があると思われるからです。
一般にADHDの子どもは大人から叱れることが多いです。
しかしADHDの特徴を知っているとその子どものあった目標の基準や、イライラするタイミングなどを知ることができます。
何気なく声をかけていることが子どもにとっては、ハードルが高くはないでしょうか?
実はもっと子どもにあった支援をしていれば、失敗しなくて済んだかもしれない…そのようなことが多くあります。
ADHDの特徴や支援方法が書かれた本を紹介します。
最新図解 ADHDの子どもたちをサポートする本
こちらの本を読むとADHDとはどういう特徴なのか?かがとてもわかりやすくまとめてあります。お子様のすべてが当てはまらないとは思いますが、ADHDの全体像が見えてきます。
また対応方法についてもすぐにできる方法が説明されています。
子どもに伝えるにしてもこのような知識がないと戸惑ってしまいます。多くの実践事例から対応方法が導かれていますので、実践的ですぐに役立つ本となっています。
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ADHDの子の育て方のコツがわかる本
親が子どもにかける期待はというと、決められたことを正しく行えるように……と思ってしまいます。しかしADHD特性を持つ子どもにとって全てをきちんとやるといのが、脳の認知的に難しいのです。
本著では「ADHDの子どもを健全に育てていくためには、まわりの人が「こまかいことを気にしない」という文言にある通り、子どもが一つ一つクリアしていくというよりも、大枠で課題を見極めながら、小さいミスには気にしないようにしていくことが簡潔でわかりやすく書かれています。
これまでの接し方でうまくいかなかった部分をハッと振り返ることがあるでしょう。
学校と連絡を取り合う


ADHDの不登校の子どもを支える支援として「学校と連絡を取り合う」ことです。
なぜなら学校での様子や情報は、相談機関等で聞き取りをする際に役立つからです。
子どもも中学生となると親に話せないことを持つことが色々とあるでしょう。
場合によってはいじめを受けていたということもあったが、恥ずかしくて親には話せないという気持ちもありえます。
親には話せないことも担任の先生はスクールカウンセラーには話している可能性があります。
この情報からADHDの特徴がどのように表れていたのか把握することは、次の対策を考えるのに有効です。
また学校は子どものことをよく考えてくれています。
子どもが望むのであれば、子どもの特徴に配慮した学校環境を整備することができるでしょう。
学校に行くことで得られるメリットもまた多くあります。
もし子どもの特性に配慮され、理解が進んでいるようであれば復学を考慮してもいいでしょう。
将来について調べる
ADHDの不登校の子どもを支える支援として「将来について調べる」ことです。
なぜなら今後高校・大学・就職という流れになった時に、同様の悩みを持ちながらも立派に現在活躍されている先輩は多くいるからです。
その方達がどのようなサポートを利用して、力を発揮できるようになったかを知ることで、同様のサポートを子どもにおこなえます。
例えば受験をする際にも以下のような配慮があります。
別室受験(自閉症、高機能自閉症、LD、アスペルガー症候群、ADHD等)
試験時間の延長(LD)
集団面接を個人面接で実施(自閉症)
監督者による口述筆記(LD)
前日に試験会場の下見(高機能自閉症)
保護者の別室待機(ADHD)


また将来の仕事を選ぶ際にも明らかに合わない職種・業種はあります。
一方でADHDを持っていることで活躍することができるものもあります。
本人の自己理解を深めるとともに、どういう準備をしたらいいのか考えていきましょう。
学習をサポートする


ADHDの不登校の子どもを支える支援として「学習をサポートする」ことです。
なぜならADHDの子どもの学びには、その子どもの特徴があるからです。
例えば長時間の集中を苦手とする子どもには、短時間に区切りながら学習を組み合わせることで学習効果を上げられます。
学校生活に不適合があったとしても教科を学ぶことが将来に役立っていきます。
大学に行きたいと思っていても、学力が疎かになり、行くことはできません。
親にできることは学習をサポートし、できる限り将来子どもがやりたいと思うことの選択肢の幅を広げてあげることでしょう。
そのためには学力をその子どもの学び方にあった形でサポートするのは欠かせません。
もし教科書や参考書を読みながら学ぶことが苦手ならタブレット学習を利用するのも一手です。
タブレット学習は直感的な動きをする発達障害の学びのスタイルに合っていると言われています。
こちらの記事ではおすすめのタブレット学習サービスを紹介・比較しました。
各社特徴があるのでまずは無料体験をして、子どもに合うものを活用しましょう。
【中学生】おすすめのタブレット学習は? 特徴を比較してみたら


また小学生や中学生向けのプログラミングをオンラインで学べるサービスもあります。
本人に合う・合わないの問題はあるものの興味がありそうなら無料体験をしてプログラミングを学ぶこともいいでしょう。




学校で学ぶというのは一種の理想ではあるけれど、必ずしも全ての子どもが合っているわけではありません。
親ができるのは子どもにとって一番効果的で能力を発揮できるサポートをしてあげて、その子どもが幸福な未来の可能性を広げてあげることです。
まとめ
ADHDの子どもが不登校になった場合の家族ができるサポート方法を解説しました。
ADHDの子どもが学校生活をするには独特の困難さが常につきまといます。
発達障害への理解がある学校ならば、合理的配慮もされるでしょうが、本人の問題だと一方的に押し付けれられると子どもにとって本当にしんどい場所になります。
親は何よりも子どもを守り、その力を発揮させるサポートをすることが大切でしょう。
ADHDの持つ子どもの創造力の豊かさは現在、産業界を中心に評価されています。
大いにある可能性を伸ばしていけるようできることからサポートしていきましょう。