
「頼まれたことをすぐに忘れてしまって……」
「メモを書いても、それを使えなくて……」
「メモに書いたことがどこにあったか覚えてなくて……」
大切なことを聞いたけれども後で全く覚えていない、そのため仕事が全くできなくなってしまった、とかいつも友達や同僚に大切な内容を覚えていなくて白い目で見られているのはありませんか?
また「大切なことはメモしなさい」と言われはするものの、その書いたメモをどこにあるのか忘れてしまい分からなくなるということがありませんか?
ADHDの傾向があると、頼まれたことでも「ふとした拍子」に忘れてしまったり、メモに書いてもそれを上手に活用できなくて困ってしまいます。
ADHD にとってメモするということは、記憶をストックしておく重要なスキルの一つであるのは間違いありません。
ただメモの仕方に工夫がないとそのメモを生かせず、周囲に迷惑をかけるでしょう。
そして周りの人からの自分の評価も下げてしまいます。
効果的なメモ活用方法のポイントはこちらの三つです。
- メモ帳を一冊にまとめる
- メモの終わった内容は消す
- フリースペースとスケージュールを組み合わせる
まずはADHDとはどのような特徴の発達障害なのでしょうか?
発達障害/ADHDの特性と特徴


ディーキャリアとはより https//dd-career.com/blog/kawasaki_20211005/
ADHD とは注意欠如多動症候群と言う発達障害のひとつです。
主に二つのタイプ
・注意欠如タイプ
・多動タイプ
とあります。
またこれらの特徴を両方合わせ持ったタイプもいます。
発達障害は脳の機能障害の一つとされているので、根本的な解決は難しいと言われています。
しかし支援方法や考え方を変えていくことによって、本人の困り感を大きく減らすことが可能。



本記事の「忘れものが多い」とか「メモが上手にできない」のは前者の注意欠如タイプが該当しますね。
ではADHDは、どこで診断を受けることができるでしょうか?
ADHD の診断


これらの症状が著しくひどい場合であれば地域の発達センターや医療機関に行きADHD であるという診断をもらえます。まずはかかりつけのお医者さんに相談するとどこの医療機関に行けばいいのか紹介をしてくれます。



大人の ADHDの場合、診断があることで自分が怠けてるのではなかった、脳の機能障害だったんだと知ることで救われた気持ちになる人も多くいます。
子どもの場合でも「学校の協力を仰ぐ」という場合には、 ADHD であるという診断をもらうとスムーズに対応が進むでしょう。学校によっては発達障害の理解が進んでいるところもあります。
現在はどこの学校でも特別支援教育コーディネーターがいて特別な診断がなくても、観察でその子の困り感を見つけ、対応できます。
ADHDは地域のかかりつけの医者に相談すると、専門の医療機関を紹介してくれます。
ただ必ずしも医療的な診断がなくても、小学校・中学校の発達相談をすると対応方法を紹介してくれます。
ではADHDはどのようなことを困っているのでしょうか?
ADHD の困りごと
ADHD の困りごととして「記憶を長い時間維持できない」のがあります。
これにはワーキングメモリーの不足に原因があると言われ、本人にとっても生活するのに苦労しているのです。
また衝動性が強いタイプだとやろうと思っていることがあっても、途中で新しいことがあるとそちらに気を取られ今やっていることを忘れてしまう課題があります。
忘れ物が多い?…そこからの2次障害にも気をつけましょう
うっかりミスが多い?忘れ物が多い? そこから生じる2次障害から本人が苦しむことがあります。
発達障害の難しいところはこれらの障害が身体障害と違って目に見えるものでありません。
そのために周りの友達や先生からは「この子はいつも忘れ物が多くてだらしがないね」と間違って見られています。



悪いケースであるといじめなどのケースに進むこともあります。
このような本人の特徴からくる社会生活の失敗により、(本来ならそこを支えるのですが)いい加減な人と思われ、いじめや仲間から浮くような扱いを受け、鬱傾向におちいることもあります。
このような症状からくる周囲の行為による心理的ダメージを「2次障害」と呼びます。
ADHDは二次障害があることに注意しましょう
ADHD の困りごとに情報整理が苦手


ADHD はたくさんの情報を整理して、どのように対応していくのか計画するのが苦手です。
複数ある情報を前にすると、どれからやったらいいのか戸惑ってしまいます。冷静に考えるそれぞれの内容はそれほど複雑ではないにもかかわらず。
このような ADHD の特性をフォローするためには、情報整理をするための習慣や方法を身につけることが欠かせないでしょう。



情報整理が苦手なら、聞いたことをメモしていけばいいのではないでしょうか?
メモって有効なの?
ADHD の特徴踏まえて、「聞いたことはメモ取りましょう」とついつい言ってしまいます。
あなたも一度や二度経験はあるかもしれません。
もちろんメモというのは記憶を残しておくということで大切なライフスキルです。
しかし ADHD の場合「メモの取り方」や「メモを取ることを習慣化」することにも留意しないとその効果を発揮することができません。
では有効なメモの取り方とはどのようなものでしょうか?
ADHD のメモの取り方
ADHD の子どもにメモをとらせる場合に以下のポイントに留意することが必要です。
ADHD の特徴としてワーキングメモリーが低いと情報整理が苦手という面を考慮して次のようにまとめました。
- メモ帳は一冊にまとめる
- メモする内容を精選する
- メモ帳の終わった内容は消す
- メモ内容をスケージュールに組み合わせる
ではこちらを一つずつ解説していきます。まずはADHDの「メモ帳は1冊にまとめる」からです。
メモ帳は一冊にまとめる
ADHD のメモ活用法として情報を一冊にまとめることがポイント。
ADHD 当事者にとっても「自分はワーキングメモリーが高くない」ということは自覚しているでしょう。
そしてメモをとる大切さも理解しています。
しかしそのメモが「会議資料の隅にあったり」「時には手帳にあったり」「レシートの裏にあったり」すると情報がいつまでたってもバラバラです。
メモがバラバラだと、本来の機能が全く果たせません。
第一に、1冊のメモを見れば分かるようにメモ帳を1つにまとめましょう。



この場合常に携帯できるタイプのメモ帳がおすすめです。
初めはメモ帳になんでも気になることをメモします。
だんだん慣れてくるにしたがって、情報の取捨選択が上達してくるので「まずはメモするということになれる」ということが第一目標。
ADHD の場合、得意の分野に関しては不思議と書かなくても記憶が残っているということもあります。
逆に関心が低い内容に関しては、全く記憶に残っていないことがあるのでそういう話題に関しては意識してメモするのが必要でしょう。
こちらに紹介するメモ帳は携帯ができ、多くの内容が書けるタイプです。
メモ帳を活かすためにも本人の資質と合っているものを使って行くのがおすすめ。
何をメモするか 〜 メモを取るのは「何を?」「いつ?」
大切なことをメモすると考えていくと、絶対に必要でやらなければならないことや自分が気になったことなど様々な情報がメモに書かれてくるでしょう。
私自身、「あ!いいこと聞いた」と思ったことをついついメモ帳に書いてしまいます。
周りの友達や先生も大切なことはメモしなさいとだけ助言はしてくれますが、具体的に何が大切かということに関してはあまり説明してくれません。
メモを取っていく上でポイントは自分にとって何が必要な情報であるのかとよく吟味することです。
気になったこと、それほど重要でないことも全てメモしていくと情報の波に飲まれてしまいます。
この点は後で述べる情報の精選とも関連しますね。
メモ帳の終わった内容は射線で消す


メモを活用するためには終わった内容を車線で消していくことがポイントです。
上で挙げたように気になったことは全部メモするようにお伝えしました。
ただそのように書いていくと膨大な内容がメモ帳に残ってしまいます。
情報を効率よく整理するためにも終わった内容家必要のない内容は射線で消しましょう。
情報整理において、精選は大切なポイント。
この先「何が必要」「どれが既に終わってしまった」ことなのかクリアにしていくことが重要です。
終わってしまったことや必要のない情報は1日の終わりに消すようにしてください。
その際、黒ペンや消しゴムなど使って全く見えないように消す必要はありません。
斜線でそのことが終わったことが分かればOKですね。
メモ内容をスケージュールに組み合わせる
ADHD が効率的にメモ活かすためにはスケジュール表と組み合わせることがポイントです。
メモ帳に書いた情報だけでは、全く情報が整備されていません。
情報は「やる日付・その内容・その重要度」があってこと生きてきます。
メモに書かれた情報を活かすためには、カレンダー付きの手帳やシステム手帳などに写すことが大切。
ここで考えるポイントは情報に優先順位をつけることです。
メモした内容がそのままメモ帳に残っているのはただのメモ。



メモ内容がスケジュールに組み込まれ、どのような優先順位でやるのかがはっきりすることでメモした内容は価値があるのです。
すなわち情報を一段階価値のあるところまで引き上げるていく。
これをやるにはいきなりは難しいでしょう。
1日のうちに「情報を整理する時間」を設定すると、それが習慣化します。
また情報をスケジュール化するというのにはスケジュールアプリ等を利用するのも現在は有効です。
特に ICT 技術を利用することでリマインド機能、やるときになったらアラームやバイブオンで教えます。
もしアプリに落とし込むことが負担でなければ是非検討するといいでしょう。
発達障害/ADHDのスケジュールを管理していくために


ADHD の子どもにとって、家庭学習を計画的に進めていくことは簡単ではないでしょう。
まず宿題として何があって、自分の苦手な科目は何か、次のテストまでに伸ばしたい教科はどれか、などと様々な優先順位があります。
これらの複合的な情報を整理して学習計画に落とし込むことは一人ではそうそう簡単ではありません。
「スケジュール管理に心得のある」保護者は、子どもに予定管理術を助言することはできるかもしれません。
ただ決められた期日のあるものをどのように提出するか、このためには外部のサービスを利用するのも選択肢のひとつです。
当然あまり予算もかけられないのが本音。
最近の物価高で教育費にまで手が回りづらい気持ちも理解できます。
予定管理のサポーターとして、オススメなのがオンライン家庭教師です。


家庭教師ってお金をかけないで使えるの?と思いの保護者もいるでしょう。
オンライン化することによって、家庭教師のコストはかつてに比べ大幅に下がりました。
30分単位などの短時間利用が可能となり、さらに移動コストを使わなくてもいいので格安のサービス提供が可能です。
オンライン家庭教師のおすすめポイントとして、特に学習計画を立てたりするコーチング機能があるものを考えてください。



コーチとはスポーツで言うと女子マラソンの小出監督のように選手に練習メニューを課して、モチベーションを上げていく人。
学習でもスポーツでいうコーチ指導のパターンが利用可能です。
子どもの実態をとらえ、問題を分析し、最適の計画を作る。
これが家庭教師コーチの仕事です。
直接教わるのではなく「指導の道筋」をつけてもらう。
それによって学習の効率は大幅にアップ。
コーチング機能が充実しているのに個別指導塾Wam
直接的な指導もできますが、学習習慣や生活習慣の確立という点に最も強みがあるのがWamです。
まずは無料の体験があるので試して、どの程度の学習計画を作れるのか確認してから本契約をしてもいいですね。
またその他でもコーチング機能がある家庭教師サービスがいろいろ見つけられます。こちらの記事ではオンライン家庭教師各社の特徴をまとめました。
>ADHDにとって効果のある家庭教師サービスをまとめました。特に学習習慣を身につけるという視点でオンライン家庭教師は効果的なサービスです。
まとめ


ADHD の子どもにとってメモしなさいとついつい気軽に入ってしまいがちですがその後のフォローアップが欠かせません。
フォローアップのポイントとしては、
- メモ帳を一冊にまとめる
- メモの終わった内容は消す
- フリースペースとスケージュールを組み合わせる
となります。
コメント