現在2020年度、不登校の児童生徒数は19万6127人に及ぶことが文部科学省「令和2年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」で明らかになりました。
「子どもが学校に行くのを嫌がるようになって…」
「学校に行きたがらないけれど、どうしてなの?」
子どもが学校にストレスを感じ、不登校になってしまうと親としても「不安」でしょう。
できるだけ早く学校に行けるようになってほしいのが親の本音。
できるだけ勉強できる心を取り戻し、学力を取り戻してほしいと思います。
不登校の原因がこれだ!ってはっきり言えるものはありません。
複数の原因が絡み合っているといわれています。
そのような不登校の原因には次のものがあるといわれています。
不登校の原因例
- 人間関係
- 無気力
- 非行や遊び
- 学業不振
- 発達障害
この記事ではこれらの原因を解説します。
中学生不登校の原因1: 人間関係

不登校の原因には学校での人間関係があり、その中でも以下のようなものがあります。
人間関係のトラブル例
・いじめ
・交友関係のこじれ
・集団生活への不適応
・教師への不信
このような対人的なストレスから「学校に行くエネルギーがなくなり」しだいに不登校になります。
学校生活なので、合う人もいれば合わない人もいるでしょう。
小学校低学年の頃は誰とでも仲良くとしようという「共通理解」のもとみんな仲良く学校生活を送っていたと思います。
しかし思春期になり、まさに自我が芽生えつつある時期です。
私にとって心地の良い対人距離を知り、その距離で過ごせばいいと思えるように気持ちを切り替えられれば気が楽になります。
そのような気持ちが切り替わるまでは、子どもの話を丁寧に聞いていきたいものです。
また「いじめ」のような場合では、心理的に相当のダメージを受けています。
家族に「いじめ」られていたという話をするだけでも勇気が要るでしょう。
あなたは子どもを優しく受け止めていきたいところです。
このような人間関係の悩みの場合は、必ずしも教室に復帰する必要はありません。
特別教室や保健室登校からステップを踏んで行ってもいいでしょう。
中学生不登校の原因2: 無気力
無気力が不登校の原因では最も多かったのです。
「学校生活が思っていたものと違っていた」
「周りの期待に応えようとがんばりすぎた」
「受験勉強で燃え尽きてしまった」
など様々な背景があるようです。
無気力の状態は心のエネルギーが著しく下がっています。
このような時に
”学校に行くことを働き掛けたり”
”家にいることを叱ったり” しても学校に戻るのは難しいでしょう。
無気力で不登校の場合は十分に休んで、心も体もリフレッシュさせることがポイントとなります。
気をつけなければならないことは、家に長くいることで生活リズムが狂ってしまうことです。
昼間にずっとテレビゲームをやっていたり、好きな漫画を読んでいたりすると学校に戻るタイミングを失ってしまうこともあります。
家族の人とときには外に出る流して、メリハリをつけた生活を送るようにしましょう。
中学生不登校の原因3: 非行や遊び

家に居づらい状況が続くと非行に走ったり、外での遊びに没頭したりすることがあります。
このような非行をするのは、親が友人関係、勉強、将来を必要以上に干渉しすぎることが原因と言われます。
子どもなりに無意識のうちに親が(本当の意味で)自分に無関心ということに気づき、自分をもっとみてもらいたいという思いが背景にあります。
青年期の発達として子どもは自分の人生を見つけたいと言う内的な欲求が現れてきます。
子どもの言葉をよく聞き、子どもの人生を一緒に考えていくようにしましょう。
中学生不登校の原因4: 学業不振

学校の勉強についていけなくなることも不登校の原因の1つとなっています。
学校の授業が全然おもしろくない、勉強が難しくてわからないといった理由からストレスを感じるようです。
学校生活での大半の時間は授業を中心とした学業です。
その内容がわからないと言うと、本人にとっても学校に入る事は相当しんどいことでしょう。
学業不振で不登校になっている場合は、学力を上げていくことが欠かせません。
現在は個別指導塾や オンライン家庭教師などのサービスも充実しているので個人に合った学力を上げる対策も立てられるでしょう。
親としては学力の課題を子どもに責めないように努めましょう。
子どもと一緒にどうすれば勉強に取り組めるのか考えていくのがおすすめです。
中学生不登校の原因5: 発達障害
発達障害とは「子供の発達のアンバランスさに課題が生じる」障害の1つです。
主に
ASD(自閉症スペクトラム障害)
ADHD(注意欠如多動障害)
LD(学習障害) があります。
発達障害であると教科によって極端に学習の遅れが見られる、同じ年齢の子ども達と遊ばない、文章の理解に通常児よりもあきらかに時間がかかるなどの特徴がみられます。
知的能力には問題がなくても「聞く」「話す」「読む」「書く」が出来ない場合(LD:学習障害)や、静かにしなければならない場面でどうしても出来ないといった課題があります。
なぜなら学校はどうしても「集団活動を中心に進める」ようデザインされているからです。
発達障害があると集団行動への適応に困難さが生じ、結果として不登校となります。
子どもが不登校になったら読む本——すべて解決できる〝笑顔の処方箋〟
子どもが不登校になってしまったという事実に不安になったり、心配になったりする保護者は多いでしょう。
不登校というと当事者である子どもにばかり注目が行き、それを身近で支えるお母さんにもサポートが必要だというのも事実です。
こちらの本を読むと不登校を家庭でどう考えればいいのかその方向性が見えくるでしょう。
いつだってそれが子どもの為になると信じてやってきたんだと…それ以外の方法を知らなかっただけ…という箇所にとても共感しました。間違っていた事に気づいたらやり直せばいいんだと思えました。 本書より
不登校の「教師の声」と「子どもの本音」の差
興味深いのは不登校になった原因を考える際に教師側と子どもの思いに差があることです。
どうしてもこのような調査だとバイアスがかかってしまいます。
しかしこのような数字を考えることで、不登校で家にいてもいいのかもしれないヒントが見つかるかもしれません。
教師からみた不登校(学校に行きづらい要因)
小学校中学校の先生に児童生徒が不登校である理由を調査した結果が以下の通りです。
いじめ・人間関係 13%
教師との関係 1.6%
学業不振 7.7%
家庭内の課題 11%
無気力 41.7%
令和2年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査子どもからみた不登校より
このように子ども自身に問題があるものに高い傾向があります。
一方で学校内の課題が抑えられているようです。
一方で子どもからみたのは少し違います。
子どもからみた不登校(学校に行きづらい要因)
いじめ・人間関係 25%
教師との関係 27%
学業不振 27%
身体の不調 32.6%
子どもからみた不登校の原因でいうと学校内での人間関係が教師からみた割合よりも高くなっています。
不登校の原因究明に意味があるのか?
本記事で上げたように様々な理由があることがわかりました。
しかしこれらの理由を取り除いたから不登校が解決するでしょうか?
おそらく子どもが学校に再び学校にいけないことも多いでしょう。
なぜなら不登校の理由が子どもが答えた理由に加えて、他の要因と複雑に絡んでいるからです。
必ずしも言葉にしたことが真実ではないということ。
もし原因究明を進めようと、子どもにあれこれと尋ねるのは子ども自身にむしろストレスを与えてしまうでしょう。
まずは不登校になってしまった子どもの「気持ちを共感的に受け止め、家でなら時間があり、休めるということ」を感じることが大切です。
不登校になってしまった時の留意点
不登校になってしまうと親も何をやったらいいのか動揺してしまいます。
子どもひとりひとりによって背景も個性も違うので「これ効きますよ〜」という特効薬はありません。
ただ気をつけておかないならないことはあります。
・無理矢理に学校に連れていく。
・不登校が悪いことのように言う。
想像してみてください。
無理矢理、学校に連れていったとしても子どもの学校や大人への拒否反応は強くなるでしょう。
結果として無理矢理「何か」された記憶だけが残り大人への不信感がつもり、将来に向けてチャレンジする時に何もできなくなります。
また親から「不登校いけないね〜」ということも言わないようにします。
子どもも心に何か課題があって学校に行くのが難しいのです。
今は心の回復を待つのが最優先でしょう。
不登校をマイナスなように思う気持ちはストレスとなってしまいます。
おおらかに安心できる環境づくりを最優先にしてください。
不登校になった意味|不登校でもできることを見つけよう

不登校のままそれでずっといいですよ、というとそうでもありません。
不登校は学校に行かないだけであって、自宅でもできる、熱中できることを見つけることを目指しましょう。
将来について「自分は何をやりたいんだろう?」と考えるいい機会です。
自分ができることをもっと専門的に勉強してみたいと思うかもれしれません。
そうなると今できることは学習ではないでしょうか?
不登校で遅れた内容をどう取り戻すか、どのように家での学習習慣を身につけるか、わからないところはどのように解決していくかなど色々な課題があるでしょう。
もし不登校になってしまったまま何もしないで家にいると、将来へ何かできる可能性はゼロのままでしょう。
家でいいので何かしらのチャレンジが必要をお子さんと一緒に考えれば、自分が「今がんばる」ことが大きな意味をもたらします。
不登校時の家庭での学習方法もいろいろあります。
\家庭学習ができるということは、自己学習力が上がるということ/
【中学】不登校の勉強法?「家庭教師」から「タブレット」まで徹底解説
今は以前に比べ家庭で学べる方法が充実しています
例えば、家庭教師も「不登校」を専門にした家庭教師もいます。
このようなオンライン家庭教師は先生として役割だけでなく、「コーチング」として学習計画を立てたり、方向性をアドバイスします。
不登校の子どもが苦手だった学習計画のサポートをてくれるのです。
コーチングは、授業を聞くことよりも本人の意欲をあげて学習量を上げます
\勉強の世界でもコーチングの重要性は知られてきました/
またタブレットを使ってゲーム感覚で進め、AIが苦手な箇所を分析するサービスもあります。
これまで苦手の内容を繰り返し練習できるので学力の底上げに間違いなくなります。
特に人間関係に疲れているというお子さんにはタブレットで対応できるので最適でしょう。
\タブレット学習はゲームしている感覚で学習をすすめられます。だから学力がつく/
タブレット学習は苦手のところを繰り返します。気がつくと成績アップ!
まとめ
不登校になってしまう理由には
- 人間関係
- 無気力
- 非行や遊び
- 学業不振
- 発達障害
があります。ただ原因究明をして行くことは大きな意味がありません。
保護者としてはこんなことだったかな?と想像しておくくらいでいいかもしれません。
不登校というきっかけを通して、自分の生き方を考えるいい機会をとらえてみましょう。
まだまだ先は長い人生。
自分で学ぶ力が必要です。
勉強のコツを覚えると資格をとる、レポートを書くと言った時にも役に立ちます。