「提出物が出せない中学生」に今すぐできること|内申点を落とさず自分から動く子に育てるコツ
「提出物が出せない中学生」は、決して“怠けている”わけではありません。元教師として多くの子どもと向き合ってきましたが、提出物の滞りは、自己管理・優先順位・生活習慣など、思春期特有のつまずきが重なって起こることがほとんどです。
とはいえ、提出物は内申点や進路に直結するため、見過ごすわけにもいきません。大切なのは、叱るより「仕組み」と「小さな成功体験」で、自分から動ける力を育てること。ここでは、40〜50代の保護者の方が今日からできる、実践的なサポート方法をお伝えします。
提出物が出せない中学生はサボりじゃない?——原因と親がまず知っておきたいこと
中学生が提出物を出せない4つの典型パターン(忘れる・終わらない・優先順位・意味を感じない)

中学生が提出物を出せないとき、多くの場合は「怠けている」ように見えて、実はもっと複雑な背景があります。まず知っておきたいのは、提出できない子にはいくつかの典型的なパターンがあるということです。お子さんは、どのタイプに当てはまりそうでしょうか?
ひとつ目は、“忘れてしまうタイプ”。提出物をやっていないのではなく、出す瞬間に思い出せない。
カバンの中に入っているのに出し忘れる。
これは中学生に非常に多く、“やる気の問題”ではありません。
ふたつ目は、“終わらないタイプ”。ワークやプリントの量に圧倒され、
どこから手をつければいいか分からないまま、期限だけが迫ってくるパターンです。
三つ目は、“優先順位がつけられないタイプ”。
部活・友だちとのやり取り・ゲームや動画。やりたいことが多すぎて、
提出物が後回しになることが珍しくありません。
ここには自己管理の弱さより、
思春期特有の「目の前を優先する」傾向が強く影響します。
そして四つ目が、“意味を感じないタイプ”。
提出物そのものに価値を感じられず、
「出さなくてもいいか…」と流してしまうケースです。
中学生にありがちな“反抗期の影”が見え隠れすることもあります。
こうした4パターンを踏まえると、「提出物出せない=怠けている」とは言い切れません。
では、保護者としてどう向き合えば、
お子さんが少しずつ提出物に向き合えるようになるのでしょうか?
お子さんのタイプを知ることが、最初の一歩になります。
提出物と成績・内申点・高校受験のつながりを押さえる
中学生が提出物を出せないとき、「そこまで大きな問題じゃない」と感じてしまう保護者の方もいます。しかし実際には、提出物は成績だけでなく内申点や高校受験に直結する“見逃せないポイント”です。なぜここまで重要なのでしょうか? お子さんにも分かる言葉で説明できますか。
まず、多くの学校では提出物が「観点別評価」の中に組み込まれています。
つまり、テストの点だけが良くても、提出物が未提出だと評価が下がる仕組みです。
担任の先生が学年末に成績をつける際、「提出物の提出状況」=学習への取り組み姿勢として重視されます。
さらに、内申点は高校入試における“もう一つの得点”です。
特に首都圏の多くの地域では、内申点が合否に大きく影響します。
テストの点が取れていても、提出物を出せないことで内申が1ランク下がることはよくあります。
では、提出物が出せない中学生にどう伝えれば、このつながりが実感できるのでしょうか?
ポイントは、「提出物=未来の選択肢を広げる行動」と具体的に示すことです。
「出さないと怒られる」ではなく
、「出すことで内申が守られ、行ける高校が増える」
とイメージさせる言葉が効果的です。
提出物を出せない今の状態は、決して取り返しがつかないわけではありません。
むしろ、ここを改善できれば成績も高校受験も安定し、
本人の自信につながります。まずは、この“つながり”を親子で共有するところから始めてみませんか。
「やる気がない」のではなく自己管理の問題——スケジュール・時間配分・集中できる環境

中学生が提出物を出せないとき、多くの保護者が最初に思うのが「やる気がないのでは?」という不安です。でも、元教師として断言できます。多くの中学生は“やりたくない”のではなく、自己管理がまだ未熟なだけです。
では、どこにつまずきがあるのでしょうか?
まず多いのが、スケジュール管理ができないケースです。「今日やれば間に合う」と頭ではわかっていても、部活・習い事・スマホ・友達とのやり取りに気持ちが流れてしまい、
気づけば夜になっている。そんな経験、あなたのお子さんにもありませんか?
これは“怠け癖”ではなく、思春期の脳の特性によるもの。
長期的な見通しを立てる力がまだ発達途中なのです。
次に、時間配分の誤り。ワークの量を見て固まり、「今日は無理」と判断してしまう中学生も多いものです。
本当は1ページ10分で終わるのに、全体しか見えていないから重く感じてしまう。
これも「提出物出せない」子に典型的なパターンです。
そして見落としがちなのが、集中できる環境の問題。
テレビの音、スマホの通知、散らかった机。
これらがあるだけで、中学生の集中力は“秒”で奪われてしまいます。
本人は「やるつもりだった」のに、気づけば別のことを始めている——そんな状態が続けば、当然提出物は進みません。
大切なのは、やる気のせいにしないことです。
「どうしたら自己管理しやすくなるか?」
「集中できる環境を整えられるか?」
ここを一緒に考えるだけで、中学生は驚くほど変わります。
「やる気がない」のではなく、整っていないだけ。
そう視点を変えることで、お子さんも前向きに提出物へ取り組めるようになります。
提出物が出せない中学生に共通するサイン(あと回し・締切ギリギリ・スマホとのバランス)
中学生が提出物を出せないとき、その前には必ずといっていいほど“サイン”が現れます。
大人から見れば小さなことですが、実はこのサインを見逃さないことで、
提出物の滞りを早めに食い止めることができます。あなたのお子さんにも、心あたりはありませんか?
まず一番多いのが、「あとでやる」から抜け出せないあと回しグセです。
「寝る前にやるつもりだった」
「今日は部活で疲れたから明日やる」
「授業でもらったプリント、どこかにあるはず…」
こうした“先延ばし”の言葉が増えている場合、
提出物が期限に間に合わない予兆と考えてよいでしょう。
次に、提出が締切ギリギリになるパターン。
「ギリギリでも出せているから大丈夫」と思わせてしまうのが、
この習慣の怖いところです。中学生は“間に合ったこと”に安心してしまい、
計画的に取り組む必要性を感じにくくなります。
その結果、いつか本当に間に合わなくなる日が来てしまいます。
そして、現代の子どもにとって最大の壁といえるのが、スマホとのバランス。
通知が鳴るたびに手が伸びる。
友だちとのやり取りが途中で途切れたままだと落ち着かない。
気づけばYouTubeやSNSを“3分だけ”のつもりで開き、
そのまま時間が吸い取られてしまう。
これは「意志が弱い」のではなく、
スマホが子どもの注意を奪うように設計されているからです。
こうしたサインが重なれば、「提出物を出せない中学生」になるのは当然の流れです。
責めるよりも、
「どうすればあと回しを減らせるか?」
「締切前に余裕を持たせるには?」
「スマホと上手に距離を取るには?」
と、一緒に仕組みを作るほうがはるかに効果的です。
小さなサインを見逃さず、早めのサポートにつなげていくことで、提出物への向き合い方は必ず変わります。

提出物が出せない中学生への具体的なサポート——元教師が勧める「仕組み」と声かけ
「提出物リスト」とカレンダーで締切を“見える化”する

中学生が提出物を出せないとき、まず改善しやすいのが「見える化」です。
「やるべきもの」と「締切」が頭の中だけで管理されていると、どうしても抜け落ちやすくなります。あなたのお子さんは、提出物を“記憶だけ”で何とかしようとしていませんか?
提出物リストは、難しいものでなくて大丈夫です。
ワーク・プリント・提出日を一枚の紙かスマホのメモにまとめるだけ。
それだけで、中学生の“忘れ”は大幅に減ります。
ポイントは、書き出したリストを机・リビング・学習スペースなど、
必ず毎日目に入る場所に置くこと。「あ、これもあった」
と気づく回数が増えるだけで、やる気が自然に湧くようになります。
さらに効果が高いのが、カレンダーとセットで使う方法。
カレンダーに提出日を赤マーカーで書くと、
視覚的に「やばい、近い」が伝わります。
また、逆算して“前日”にチェックを入れておくだけでも、中学生は締切を意識しやすくなります。
ここで大切なのは、
「いつやる?」を親子で具体的に言語化すること。
たとえば、
・ワーク5ページ → 月・火でわける
・提出日が金曜 → 水曜の夜に仕上げる
こうした“分割”を一緒に考えるだけで、急に現実的になり、提出物を出せない状況が改善しやすくなります。
「うちの子、リストなんて続かない…」と思われるかもしれません。
でも、最初は親が横で一緒に作るだけでOKです。
習慣になるまで寄り添うことで、中学生は少しずつ自分で管理できるようになります。
1日10分からの家庭学習ルーティン——ワークを小分けにして“終わらない”不安を減らす
中学生が提出物を出せない背景には、「量が多すぎて終わらない気がする」という不安があります。これが積み重なると、手をつけられないまま締切が近づき、ますます提出物が出せない悪循環へ。あなたのお子さんにも、そんな様子はありませんか?
そこで有効なのが、“1日10分だけ”の家庭学習ルーティンです。
ポイントは、時間ではなく「小さく始める」こと。ワークを1冊丸ごとやるのではなく、1ページ・1セット・1問でもいい。小さく区切ることで、中学生の「できた」が積み重なり、提出物に対するハードルがぐっと下がります。
たとえば、ワークが20ページあるなら、
- 月曜:2ページ
- 火曜:2ページ
- 水曜:2ページ
…といった具合に“分割”して進めるだけ。
小さく切れば切るほど、「これならできる」と思えるのが中学生の強みです。
また、1日10分の習慣は自己効力感(やればできる感覚)を育てます。
「昨日できたから、今日もできる」
この積み重ねが、提出物を出せない状態を根本から変えていきます。
特に思春期は、気持ちより“行動の積み重ね”のほうが
自信につながりやすいものです。
さらに効果的なのは、親が最初の3日だけ横で見守ること。
「もう終わったの? いいね」
この一言だけで、中学生のモチベーションは大きく変わります。
叱るより、小さな達成を一緒に喜ぶほうが何倍も効きます。
提出物が出せない状況は、才能や性格の問題ではありません。
大きなワークを“小さくちぎる”工夫と、
続けやすい10分ルーティンさえあれば、どんな子でも一歩ずつ進めるようになります。
今日からできる、いちばん現実的で効果の高いサポートです。
スマホ・ゲームとどう折り合うか——時間帯ルールと優先順位の決め方

中学生が提出物を出せない理由のなかで、今もっとも大きいのが「スマホ・ゲームとのバランス」です。
勉強そのものより、スマホの通知・ゲームの続き・友だちとの連絡のほうが、
どうしても“今すぐ反応したい気持ち”を強く刺激します。
あなたのお子さんも、「今ちょっとだけ…」と言いながら気づけば30分経っていた、そんなことはありませんか?
まず大切なのは、“使う時間帯”を決めることです。
「勉強が終わったら」ではなく、
“19時〜20時はスマホOK”“21時以降は充電ステーションに置く”といった
“時間の枠”を決めるほうが、中学生には分かりやすく守りやすいのです。
勉強→スマホの順番ではなく、スマホ→区切り→勉強のほうがスムーズに切り替えられる子も多く、ここは性格に合わせて調整できます。
次に必要なのが、優先順位を一緒に言語化すること。
ただ「スマホはダメ!」と言っても、中学生には響きません。
代わりに、
- 「提出物の締切、いつだっけ?」
- 「今日やる分ってどれくらい?」
- 「じゃあ終わったらゲーム10分しようか」
と、“先にやること→後で楽しむこと”の順番を一緒に整理すると、お子さんは自然と行動しやすくなります。
また、スマホを完全に取り上げないことも重要です。
思春期は“奪われた”感覚に敏感で、反発につながりやすい時期。
だからこそ、
「使い方を一緒に整えていく」
という姿勢が、提出物を出せない状況の改善に直結します。
小さなルールでも、続けることで大きな変化が生まれます。
スマホを敵にするのではなく、折り合いをつける工夫こそ、中学生の提出物改善への近道です。
怒るより「小さな成功体験」を積ませる声かけ——提出できた日を一緒に振り返る
中学生が提出物を出せないとき、つい「なんでやらないの?」「また?」と強く言ってしまいがちです。
でも、叱るほど中学生は“心のシャッター”を下ろし、
提出物への意欲はますます下がってしまいます。
では、どうすれば前向きに取り組めるようになるのでしょうか?
鍵になるのが、「小さな成功体験」を一緒に積み重ねることです。
たとえば、
・1ページだけ終わった
・今日の分だけやれた
・提出日より1日前に終わった
こうした小さなできたを、その瞬間に褒めて一緒に振り返るだけで、中学生の心の動きは大きく変わります。
「やればできるんだ」という感覚は、叱られて得られるものではありません。
声かけのコツは、評価ではなく“事実を一緒に確認する”形にすること。
「お、もう2ページ進んだんだね」
「昨日より早く取りかかれたね」
こうした“実況中継のような声かけ”は、中学生の自信をそっと押し上げてくれます。
また、提出物を出せた日こそ、いちばんのチャンスです。
「今日ちゃんと出せたね。どうやって進めたの?」
と一緒に振り返り、
・できた理由
・工夫した点
・次も続けられそうなポイント
を本人の口から言わせると、成功体験が“自分の力”として定着します。
叱るとその場は動くように見えても、行動は続きません。
逆に、「できた自分」を積み重ねると、中学生は自分で提出物に取り組む力を身につけていきます。
提出物を出せないからこそ、
できた瞬間を逃さず一緒に喜ぶこと。
これが、最も確実で、最も親子の関係を壊さずに成果を生む方法です。
学校や塾の先生に相談するときのポイント——三者面談・連絡手段の使い分け
中学生が提出物を出せない状態が続くと、「家庭だけでは限界かも…」と感じる瞬間があります。
そんなときこそ、学校や塾の先生に早めに相談することが大きな助けになります。
ですが、いざ相談となると、「何をどう伝えたらいいの?」「忙しそうで言いづらい…」
と迷うことも多いですよね。
ここでは、元教師として“相談される側”だった経験から、いちばんスムーズな方法をお伝えします。
まず大切なのは、三者面談を“提出物の特別な相談の場”として使うこと。
「家での様子」「どのタイプの提出物が出せないのか」「締切を忘れるのか、量が多くて詰まるのか」など、家庭で見えている事実をコンパクトに伝えるだけで十分です。先生はそこから“学校での原因”を照らし合わせ、具体的な対策を提案してくれます。
三者面談は、子ども本人もその場にいることで“自分ごと化”しやすい、大きなメリットがあります。
次に、連絡手段の使い分けです。
- 急ぎではない相談 → 連絡帳・メール・保護者用アプリ
- 早めに共有したい情報 → 学級担任に短いメッセージ
- より深い相談 → 電話 or 個別面談
と使い分けると、先生にとっても状況が把握しやすくなります。
特に提出物については、
「〇〇のワーク、家ではこういう様子です。学校での取り組み方はどうですか?」
と、“家庭の状況+確認したい点”の2本柱で伝えると、先生も返答しやすく、話が早く進みます。
また、塾の先生に相談する場合は、
「学校の提出物が進まないせいで学習リズムが乱れている」
という視点を共有すると、塾側でも“家庭学習の組み立て方”を調整してくれます。学校よりも細やかに対応してもらいやすいのが塾の強みです。
相談は、決して「迷惑」ではありません。
むしろ、早く共有してもらえるほうが先生は助かるのが本音です。
中学生が提出物を出せない状況を、学校・塾・家庭が同じ方向で支えられたら、改善のスピードは一気に上がります。
提出物が出せない中学生が「自分で動ける」ようになる家庭の整え方
中学生本人に「提出物の大切さ」をどう伝えるか——内申点だけに依存しない“自立”の視点
中学生が提出物を出せないとき、多くの保護者がつまずくのが“伝え方”です。「出さないと内申が下がるよ」「高校に行けなくなるよ」と言っても、本人には響かないことが多いですよね。では、どうすれば中学生の心に届く形で“提出物の大切さ”を伝えられるのでしょうか?
まず大事なのは、脅しではなく“未来の選択肢を広げる話”にすることです。
内申点の話をするときも、
「提出物を出すと内申が上がる」ではなく、
「選べる高校が増える」
という“自分にとってのメリット”で伝えると、中学生は一気に納得しやすくなります。
また、提出物の価値を“親の価値観”でなく、本人の行動と結びつけて示すことも大切です。
たとえば、
「提出物が出せると、先生に“この子はやる力がある”と見てもらえるよ」
「テストの点が良くないときでも、提出物が出せれば挽回できるよ」
と、努力が評価につながる仕組みを説明すると、行動の意味が見えてきます。
さらにもう一歩踏み込みたいのが、“自立”の視点です。
提出物は、高校・大学・社会のどの場面でも求められる、
「約束を守る」
「締切を管理する」
「必要な作業を計画的に進める」
という力の入口です。
ここを押しつけではなく、
「この力がつくと、将来ほんとうに困らなくなるよ」
と“人生スキル”として伝えると、中学生は意外とスッと受け入れます。
もちろん、いきなり完璧を求める必要はありません。
提出物が出せない子ほど、できた日の振り返りを一緒にすることで“自分でできた”感覚が育ち、それが自立の第一歩になります。
提出物の大切さは、内申点だけでは語り切れません。
「提出物=未来の自分への投資」
という視点で伝えていくと、中学生の“行動のスイッチ”が少しずつ入っていきます。
片づいた勉強スペースがやる気を呼ぶ——家庭で整える学習環境
中学生が提出物を出せないとき、意外なほど影響が大きいのが“勉強スペースの状態”です。机の上がプリントで埋まっている、鉛筆が見つからない、ワークがどこにあるかわからない……。そんな環境では、やる気以前に「すぐに始められない」状態になってしまいます。あなたのお子さんの机は、今どんな様子でしょうか?
まず意識したいのは、“探す時間をゼロにすること”です。
提出物が出せない中学生の多くは、「始めるまでに体力を使ってしまう」という共通点があります。プリントを探す、ワークを出す、筆箱を整える……。これらの小さな手間が積み重なると、勉強に向かう前に心が折れてしまうのです。
改善の第一歩は、机の上を“1アクションで始められる”状態にすること。
・ワークは1つの場所にまとめる
・提出物フォルダを1つ作る
・筆記用具は最小限だけ置く
この3つだけでも、中学生の“取りかかりの速さ”は大きく変わります。
次に大切なのが、視界に余計な情報を入れないこと。
スマホ、ゲーム機、漫画、広告入りのプリント……。
中学生は注意が逸れやすく、目に入ったものに反応してしまいます。
机の周りだけでも“学習モード”に切り替えられるよう、
必要なもの以外はできるだけ排除していくと集中力が続きやすくなります。
また、勉強スペースの整え方は、叱るより一緒に片づけながら習慣を作るほうが効果的です。
「ここに置くと明日すぐ始められるね」
「見やすいから、プリントはこのファイルにしよう」
と声をかけながら環境を一緒につくると、中学生は“自分で管理できた”という感覚を持ちやすくなります。
提出物を出せない背景には、行動のハードルが高すぎることが多くあります。
だからこそ、片づいた勉強スペースは最大の追い風。
小さな整え方ひとつで、お子さんの「やってみよう」という気持ちが芽生え、提出物へ向かう力が自然と育っていきます。
生活習慣・学習習慣を整える——睡眠・食事・毎日の学習時間が提出物を左右する
中学生が提出物を出せないとき、「やる気が足りないのでは?」と考えてしまいがちですが、実は“生活習慣そのもの”が大きく関わっています。睡眠不足・食事のリズムの乱れ・毎日の学習習慣の欠如——これらが揃うと、中学生は驚くほど提出物に取り組めなくなります。あなたのお子さんにも、思い当たるふしはありませんか?
まず重要なのが、睡眠の質と量です。
中学生はまだ成長期。寝不足のままでは集中力も記憶力もガクッと落ち、提出物に取りかかる気力が湧きません。
「早く寝なさい」よりも、
・スマホは21時以降はリビング
・寝る前のブルーライトを避ける
など、環境から整えるほうがずっと効果的です。
次に、食事のリズム。
朝ごはんを抜くと脳がエネルギー不足になり、1時間目からぼんやり。放課後になってもスイッチが入りにくく、結果的に提出物に手が伸びません。
「テスト前だけ整える」ではなく、日々の栄養バランスが“学習意欲”を支えることを親が理解しておくとサポートしやすくなります。
そして、何より大切なのが、毎日の“少しだけの学習習慣”です。
1日10分、15分でもかまいません。
「机に向かう → 1つだけ片づける」
という流れができると、中学生は提出物に必要以上のハードルを感じなくなります。
逆に、生活リズムが乱れている中学生ほど、
・集中できない
・先延ばしする
・気持ちが切り替わらない
という悩みを抱えやすく、提出物を出せない負のループに入りやすいのです。
生活習慣と学習習慣は、叱って変わるものではありません。
毎日の小さな行動を整えることで、気づけば“提出物に向かえる土台”ができています。
提出物が出せない状況を根から改善したいなら、
生活習慣=見えない学力
だと考えてみてください。
お子さんの行動が、ぐっと安定していくはずです。
「提出物が出せない中学生」に今すぐできること|内申点を落とさず自分から動く子に育てるコツ:まとめ
中学生が提出物を出せないとき、私たち大人はつい「どうしてやらないの?」と原因を子ども自身に求めがちです。でも実際は、自己管理の未熟さ・環境・生活リズム・優先順位のつけ方など、サポートすべき“仕組み”が整っていないだけのことがほとんどです。
まずは、提出物の量や締切を見える化し、ワークを小さく区切って進める仕組みづくりから。机の上を整え、スマホの時間帯ルールを決めれば、中学生が「取りかかれない理由」は一つずつ消えていきます。
さらに、提出できた日こそ一緒に振り返り、小さな成功体験を積ませることが重要です。叱るのではなく、“できた瞬間”を丁寧に拾い上げることで、中学生の中に「やればできる」という感覚が育ちます。
生活習慣も大きな味方です。睡眠・食事・短い家庭学習習慣が整えば、提出物に向かうエネルギーと集中力も自然と整い、内申点にも良い影響が出てきます。
提出物を出せない状況は、才能でも性格でもありません。
整った環境+小さな成功の積み重ね+“自分でもできる”という実感——
この3つがそろえば、どんな中学生でも確実に変わり始めます。
親の焦りを減らしながら、子どもが「自分から動ける」未来を、一緒に育てていきましょう。


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