毎日の提出物が出せない……
期限日までに課題が終わらない……
提出物がずっと未提出が続いている……
もし提出物が出せないということが続くと、それは内申点というところに反映され高校進学への調査書に記録されます。
想像できますか?
希望した高校にも「提出物を出していない」ために、諦めざる得ないという可能性があります。
またこのような提出物を出せないというのは脳の機能による障害の一つ(発達障害)という見方もあります。
子どもだけに、問題があるようなに言うことはできませんね。
私たち周りのサポーターが本人にとっての「合理的配慮」を講じていくことで、ストレスを感じることなく楽に生活することができます。
本記事では「提出物が出せない」ということの背景と親がとれる対応方法を解説します。
提出物を出せない背景・理由とは?
「提出物を出さないのは障害」と簡単にラベリングしてはいけません。
まず押さえておきたいのは、「提出できない」というのであっても色々なレベルがあって、工夫をすることで改善することができます。できる限り提出ができるような子どもが前向きに取り組めるような仕掛けを作っていきたいものですね。
まずは提出物が出せない理由・背景を挙げてみます。
提出する習慣がついていない
「提出なんかどうでもいいや」という気持ちになっていることがあります。
普通は登校してから、宿題や連絡物の提出を習慣としておこなうのが通常の流れ。
しかし「提出物を出さない」子どもは、友達と遊ぶことに気持ちがいっています。
また学級の事務処理を優先せずに、友達とお喋りをすることにばかり気を取られて「提出する」ということの関心がほとんどないのです。
さら深掘りをすると「提出物を出す」ということの大切さを理解できていない面も大きい。
提出物を出せない子どもは、提出する習慣がついていない。
提出物を出せないのは内容に自信がない
やった課題の内容に自信を持っていないと「提出しない」ことの原因となります。
例えば「◯◯を調べましょう」という課題があったときに、課題を進めるにも自信がなく「教科書をうつしただけなんだよな~」と提出するにも気後れしてしまいます。
そうすると投稿しても提出物を出さないままに時間が過ぎていくこととなります。
学校の先生も課題の出来具合は評価しますが、それほど大きくありません。
提出物で主に見るのは学習態度・意欲を評価をするのです。
まずはきちんと課題を仕上げ、提出できたということで自信を持てるようにしたいですね。
提出物を出せない子どもは、提出する内容に自信がない
提出物を出せないのは発達障害:ADHDの可能性
提出物を出せないのは発達障害の可能性があります。
発達障害とは
自閉症スペクトラム障害
注意欠如多動障害(ADHD)
学習障害(LD)
を言います。
自閉症スペクトラム障害(ASD)は主に他人と社会的な関わりを持つことが難しい障害です。
注意欠如多動障害とはAttention Deficit Hyperactivity Disorderの略語です。その名の通し集中力が続かない・衝動的に行動してしまう・多動であるといった難しさを持っています。
学習障害とはLearning disorderの略語です。書く・読む・計算するなどの特定の分野だけ突出して能力が低い障害です。
国立障害者リハビリテーションセンター
こちらのサイトでは発達障害のさらに詳しい解説があります。
特に提出物が出せないというのはADHD(注意欠如多動障害)の傾向があると考えられます。
提出物を出せない子どもは、発達障害の可能性を考えましょう。
ADHDの「注意欠如より」の特徴として
ADHDの注意欠如よりの特徴として以下のものがあります。
- 忘れ物やなくし物が多い
- 話しかけても聞いていない
- 約束などを忘れてしまう
- すぐに気が散ってしまう
- 細かいことを見過ごしてしまう(ケアレスミスが多い)
- 課題や遊びなどを途中でやめてしまう
- 物事をやり遂げることができない
- 順序立てることや整理整頓ができない
- コツコツやること(勉強など)を避けたり、いやいや行う
といった生活上の課題あります。
参考文献はこちら「 ADHDってなに?:ADHDについて知ろう」
普通の子どもは発達とともに上に挙げたような社会的な行動を自然と身につけます。
それに比べ、ADHDの子どもはなかなか定着しません。
発達障害の原因は脳の機能障害であると言われています。
それでも認知パターンや環境を工夫することによって行動が改善したり、周囲からのサポートを受けたりすることができます。
あまりに日常生活に悪影響を及ぼす場合には医療機関と相談をしてください。
以下発達障害の相談を受けられる機関です。
●発達障害者支援センター
発達障害の早期の発見と、発達障害を持つ本人やその家族への支援を目的とし、相談や情報提供を行う施設です。発達障害者に対し、専門的な発達支援や就労支援を行っています。●児童(子ども)発達支援センター
障害のある子どもに支援を行う地域の中核的な施設です。集団療育や個別療育が必要な子どもが通所し、日常の基本動作や自活に必要な知識・技能の指導、集団生活へ適応するための訓練を行います。また対象の子どもの家族や所属施設への相談に応じ、助言します。●児童(子ども)家庭支援センター
ADHD 相談・受診Q&A
児童相談所など関連機関と連携しつつ子どもへ相談支援を行う、地域に密着した福祉施設です。家庭からの専門的な相談や、児童相談所から依頼された児童や家庭への指導、市町村の求めに応じて技術的な助言や援助を行います。心理療法などを担当する職員も配置されています。
提出物を出せるようになるための対応は?
決められた提出物を期日のうちに提出できないと、この先の生活に悪影響を及ぼします。
未提出というだけで、必要以上に責められて心理的にもダメージ・負担を受けるでしょう。
またADHDの傾向が強いとそれ以外の部分でも、学校の文化と合わないところが出て、叱られることが増えてしまい不登校や鬱傾向になることもあるでしょう。
>あなただけにお教えします。ADHD児が不登校になる理由
それでは提出物を出せない場合の親ができる「対応方法」や「緩和させる方法」を紹介します。
提出物を出せるようにするポイント
- なぜ提出物を出さないけないのか理解する
- 提出物を気がつきやすいところにおく
- 提出物の期限を予定表に書き込む
- 担任の先生に相談する
こちらを一つずつ解説します。
なぜ提出物を出さないけないのか理解する
なぜ提出物を出さないのかという理由を子どもと共有しましょう。
登校後子どもは「友達との遊び」や「朝の活動」に気持ちがいってしまい、提出するということを気にしなくなることがあります。
しかし提出物の状況で内申点を算出する根拠とします。
お子様とは「提出物を出さない」ことが学校生活でどのような意味を示すのか?
それが高校進学を決める際にどのような影響を与えるのか?
ということを教えてることが大切です。
もし子どもにその意味がわからないと、単純な義務感によって提出していくだけとなってしまいます。それは行動を持続させることが難しいでしょう。
お子様は提出物を出さないことの意味や
与える影響を十分に説明するようにしましょう。
>気になりません?「子どものやる気」を高める方法を まずはモチベーションをどう育てるかがポイントです。
提出物を気がつきやすいところにおく
提出物を忘れづらいところに置いておくようにしましょう。
終わった課題をいつもように鞄中に無造作に準備をしても忘れています。
自分の習慣として「気づける」ような仕組みを鞄周りにしておくことで提出物を出さないということを減らせます。
例えば提出袋を用紙を鞄の中で一番取りやすいところに置いておくとか、鞄に「提出物!」と書いたメモを目につきやすいところに貼っておくなどして自分で気づけるような配備をしてみましょう。
子ども本人で進めるのは難しい場合は、初めは保護者様も一緒に置き方を考えても良いですね。
提出物の期限を予定表に書き込む
提出物を期限内に出せるためにはスケージュールを意識させましょう。
提出物を出さない子どもは時間の感覚がルーズになることがあります。
結果として「期限ギリギリになって課題を行う」ような事態になることがあります。
卓上カレンダーやホワイトボード・手帳などを用意して自分がどのような予定をし、逆算的に予定を管理していけるようにします。
こちらもADHD傾向が強いとこれらを使いこなすのは難しいと予想されます。
保護者様が一緒に予定作成に入り、まずは予定を書くこと・実行することを習慣化させるように心がけてください。
担任の先生に相談する
もし子どもにADHDの傾向が強いと、提出物を出す習慣を身につけるということもさらに一層の工夫が必要となります。
子どもや保護者様だけの工夫や努力では対応してきれないということも考えられます。
その場合は担任の先生にその旨を相談しましょう。
または特別支援コーーディネーターという役職の方が学校にいますのでその方に話してもいいです。
学校だけでなくそのような「困り感」「障害」がある子どもには「必要な配慮をしなければならない」ということが法律で決まっています。
例えば、そうのような子どもには先生が配慮の一つとして声をかけるとか気が付きやすいような場所を設置するとか対応をしてくれるでしょう。
障害というと大袈裟に聞こえるかもしれませんが、本人の特徴だと思えばそれに合わせた環境や支援をしていくことで能力を伸ばしたり、教育活動を進めたりすることができると考えればいいのです。
もし心配であれば診断をする医療機関もあるのでそちらで相談をして対応してください。
提出物を出せるようにするポイント
- なぜ提出物を出さないけないのか理解する
- 提出物を気がつきやすいところにおく
- 提出物の期限を予定表に書き込む
- 担任の先生に相談する
発達障害(ADHD)の生きづらさ
子どものころは、女子よりも「男子の方がADHD的な行動が目につきやすい」でしょう。
いっぽうで大人になると、有症率に大きな差がないことが最近言われるようになてきました。
マルチタスクとして家事ができない、じっと待つことが苦手で他の人のやっていることに勝手に入ってしまうなどがあり、社会的に受け入れ難い特徴となっています。
家庭や学校、職場などで生きづらさの原因になっている場合、発達障害という特徴を考え、それに合わせたライフスタイルをデザインしていくことが必要かもしれません。
発達障害(ADHD)の勉強の難しさ
発達障害(ADHD)の特徴として長い時間集中して勉強するのが難しいです。
どうしても他のことに気がいってしまうこともあります。
学校でも家庭学習でも「勉強に集中して学力を高める」のが目的なので、発達障害の特徴は力を発揮できないという面を考慮しましょう。
周囲の音や視覚刺激に対しても、すぐに気が向いてしまうのでなるべくそれらが気にならないような環境を設定することも考えたいです。
また発達障害の人には文字情報への理解が苦手であるという特徴も中にはいます。
教科書や参考書を読むといった勉強の基本的な学習行為にもスムーズに行えないという問題があります。
そのような時は図で内容を示すことも有効でしょう。
ADHDのことをもっと知りませんか?:ADHDの子の育て方のコツがわかる本
ADHDのお子さんを知るには心理学からのみた特徴を知ることもおすすめです。
「ADHDの子の育て方のコツがわかる本」はADHDの苦手な状況やどのように対応したらいいのかを図を使ってわかりやすく解説してあります。
こちらの本を参考に「お子さんの自己理解」や「家族の理解」を深めていくために勉強してもいいでしょう。
発達障害ADHD傾向におすすめのオンライン学習
発達障害(ADHD)傾向を持つと提出物を出せないというだけでなく、学校や家庭学習でも力を発揮させることが難しいと保護者様も知ることが必要です。
このようなADHDの特徴すなわち視覚情報への理解が強い、手指の操作を好む、集中できる時間が短いことを踏まえた学習支援が必要となるでしょう。
そう考えるとオンライン教育サービスを利用するのもいいでしょう。
オンライン教育サービスとはPCやタブレットを使い、電子化された教育プログラムや映像授業を見ながら、演習をしたり解答したりするサービスです。
発達障害を持っていると一斉授業で集中して先生の話を聞き続けたり、文字情報を読み込んだりということが苦手となります。
これらの部分をゲーム形式や動画にして勉強に集中させることができます。
想像できますか? ゲームに熱中するように勉強に取り組む後ろ姿を。
おどろくくらいに学力がついているでしょう。
>タブレット学習を使えば苦手箇所がわかるのはなぜでしょう?
提出物を出せる親ができるサポート: まとめ
お子様が提出物が出せないというときの親ができるサポート方法をまとめました。
提出物を出せない背景・理由には
- 提出する習慣がついていない
- 提出物を出せないのは内容に自信がない
- 提出物を出せないのは発達障害の可能性を分析する
また提出物を出せるようになるための対応は?
- なぜ提出物を出さないけないのか理解する
- 提出するものを気がつきやすいところにおく
- 提出の期限を予定表に書き込む
- 担任の先生に相談する
ADHDの生きづらさはあるかもしれません、本人の力が出せるようなサポートをしていきましょう。
ご存じですか? 発達障害のお子さんに合う勉強方法を
提出物を出せる親ができるサポート: おまけ
提出物が出せないと言う事実だけで 親から責められるのはしんどいものです。
思春期に入りコミニュケーションが難しくなってくる時期 だからこそ、 子どもをリスペクトしてその思いを受け止めて解決策を見つけたいです。
とは言っても本音では子どもと丁寧に話すのは簡単ではないでしょう。
いつまでも「かわいいと」思っていた時代は過ぎ、 半分大人の仲間入りです。
そんなときには外部の人材を活用するのも1つのアイディアでしょう。
コーチングという事はご存知ですか?
コーチングは具体的に教えたりするのではなく、 指導内容や練習計画を立て、 子どものモチベーションを高める人のことです。
スポーツの世界ではコーチングの力は有名ですね。
現在家庭教師もこのコーチングサービスを行っているところが増えています。
これまでの家庭教師なら60分や120分、みっちりあれやこれや教わるというのが通例でしたね。
しかし現在のオンライン家庭教師では30分程度の短い時間で学習内容の確認や助言、 勉強計画と言ういわゆるコーチングの仕事を行ってくれます。
その中には生活習慣に対する助言などもあり提出物のタイムマネージメントや リマインダーをしてくれる先生も。
もちろん30分と言う時間なので料金は格安。
思春期のこの難しい時期、 子供の生活習慣を整えると言う視点でコーチングとしてのオンライン家庭教師が今話題になってますよとお知らせします。
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