習い事を“辞める”と言いづらい…角を立てない伝え方とやめどき判断|月謝トラブル回避
習い事を「辞めたい」と思っても、先生に伝えるのは勇気がいるものです。「失礼にならない言い方は?」「月謝はいつまで払うの?」と迷うと、つい先延ばしにしてしまいがち。ですが、言いづらさの原因は“言い方”より“タイミングと手順”にあります。
本記事では、角を立てずに伝えるコツ、退会時に確認すべき規約、そして“やめた後の学びを止めない”ための家庭でできる英語習慣まで、元教師の視点でやさしく解説します。お子さんが“自分で選び、自分で伸びる”未来につなげていきましょう。
習い事を辞めると言いづらい…角を立てない伝え方とタイミング
言いづらくても…まずは「1か月前」が基本——対面/電話/メール/LINEの使い分け

習い事をやめることを伝えるときに一番大切なのは、「言い方」よりも「言うタイミング」です。
特に、月謝制の教室やスクールでは、月単位で運営が回っているため、退会の申し出は1か月前が基本。これは礼儀というだけでなく、先生側が次の席の調整や教材の準備をするための時間でもあります。
とはいえ――
「言いづらいんですよね……。」
その気持ち、とてもよくわかります。
長く続けてきた習い事ほど、先生への感謝も、子ども自身の思いもある。
だからこそ、こちらが“丁寧に伝える姿勢”を持てば、失礼にはなりません。
では、どの手段で伝えるのがいいのでしょうか?
おすすめの順番は「対面 → 電話 → メール・LINE」 です。
- 対面:一番誠意が伝わる。送迎のタイミングやレッスン前後で「◯月末で退会したいと考えています。これまで本当にありがとうございました」と、感謝を先に伝えます。
- 電話:時間が合わないときに。声の温度がある分、誤解が生まれにくい。
- メール/LINE:どうしても直接言いづらいとき、または「事前連絡」として短く要点を添えると丁寧。
ポイントは、理由を詳しく説明しすぎないこと。
「家庭の事情で」「生活リズムが変わるため」など、短く・シンプルにで十分です。
ここで長く言い訳をすると、かえって心が疲れます。
最後に、伝えるときのひとこと例です。
「◯月末で退会を希望しています。これまで丁寧にご指導いただき、本当にありがとうございました。」
シンプルで、温度がある。それだけで十分です。
この一言が言えると、あなたの心もスッと軽くなります。
習い事をやめることは、成長の区切り。
その区切りを、ていねいに結んでいきましょう。
あなたは、ちゃんとできています。大丈夫です。
そのまま使える退会の伝え方の例文(対面/電話/メール・LINE)
習い事をやめることを伝える場面では、どうしても「うまく言えなかったらどうしよう…」という不安がつきまといます。
特に、先生が熱心な方ほど、こちらとしては「申し訳ない」と感じてしまい、言いづらいものです。
ですが、実際には 退会の連絡は“失礼”ではありません。
大切なのは、感謝 → 時期 → 理由(簡潔) の順番で伝えること。この流れさえ押さえれば、どの連絡方法でも落ち着いて話せます。
■ 対面で伝えるとき
(送迎・教室の前後、落ち着いたタイミングで)
「◯月末で退会をお願いしたいと考えています。これまで丁寧にご指導いただき、本当に感謝しています。生活のリズムが変わり、続けることが難しくなったためです。残りの期間も、よろしくお願いいたします。」
ポイント:
理由は短く。感謝を先に置くと、雰囲気が柔らかくなる。
■ 電話で伝えるとき
(「少しお時間よろしいですか?」と前置き)
「いつもありがとうございます。習い事を続けることが難しくなり、◯月末で退会を希望しております。これまで本当にお世話になりました。」
声のトーンを落ちつかせると誠実さが伝わる。
■ メール/LINEで伝えるとき
(事前連絡や、直接会えないときに)
◯◯先生
いつもお世話になっております。
◯◯(お子さんの名前)の保護者です。
この度、生活リズムの都合により、
◯月末をもって退会させていただければと考えております。
これまでご指導くださり、心より感謝しております。
引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
長く書かないことが、丁寧さにつながる場面もあります。
■ 心がラクになる考え方
「やめる」=関係を断つ
…ではありません。
それは、
“今の生活・成長に合わせて学びを組み替える”という、親としての前向きな判断。
あなたは、いい加減な理由でやめようとしているわけではありません。
お子さんの今に合わせ、これからに向けて動いているだけ。
理由は“家庭の事情”で十分——詮索されたときの丁寧な境界線の引き方

習い事をやめると伝えるとき、もっとも心が重くなるのは「理由を聞かれたらどうしよう…」という不安です。
相手に嫌な思いをさせたくない、誤解されたくない、角を立てたくない。
だからこそ、つい説明が長くなり、気づけば自分が追い込まれてしまうことがあります。
でも、実は “理由は詳しく言わなくていい” のです。
なぜなら、習い事の退会は “家庭内の都合” がほとんどだから。
スケジュール、通学時間、子どもの体力、家計、進学、他の習い事とのバランス…。
これらはすべて、“その家庭だけの事情”。
先生にも理解はできますが、深く踏み込まない領域でもあります。
では、どんな言い方が負担にならず、誠実さを保てるのでしょうか。
結論:短く、穏やかに、感謝とセットで。
例としては、こんな風に。
「生活リズムの調整のためです。」
「家庭の事情で、通い続けることが難しくなりました。」
「親子で話し合い、いったん区切りをつけることにしました。」
これ以上、説明する必要はありません。
むしろ詳しく語りすぎると、
「じゃあこうすれば続けられるのでは?」
と、“引き止め”につながりやすく、気持ちがさらに苦しくなります。
もし、先生が心配して掘り下げて質問してきた場合は、
“境界線を優しく引く”言い方で十分です。
例えば:
「お気持ちありがとうございます。ただ、この件については家庭内で決めたことで、詳細は控えさせてください。」
「説明が長くなってしまうので、理由は簡潔に…という形でご理解いただけると助かります。」
ここで相手に配慮しながらも、
“これ以上は話さない”という線を静かに示すことがポイント。
あなたが失礼なわけでも、不誠実なわけでもありません。
家族の生活と子どもの成長は、親が守るもの。
そして、忘れないでほしいことが一つ。
あなたは今、「逃げている」のではありません。
“子どもの今に合った形へ切り替えようとしている”だけです。
習い事は本来、
「子どもが心地よく成長できる場所」であるべきもの。
もし、負担・不安・義務感が大きくなっているなら、
やめるという選択は“前向きな次の一歩” です。
習い事をやめることは、終わりではなく、区切り。
そこからまた、新しい伸ばし方が見えていきます。
あなたは、ちゃんと考えて選び取っています。
その判断には、自信を持って大丈夫です。
先生側の本音——「言ってくれて助かる」の真意
習い事をやめると伝えるとき、多くの保護者が心の中でつぶやいています。
「先生、がっかりするかな…」
「申し訳ないと思われるかな…」
「頑張らせればよかったかな…」
この“言いづらさ”は、子どもの成長をちゃんと見てきたからこそ生まれる優しさです。
けれど実は、先生側の本音は少し違います。
多くの指導者は、早めに伝えてもらえる方が本当に助かるのです。
なぜなら、先生にも「準備と計画」があるからです。
・教材やテキストの在庫
・レッスン人数のバランス
・発表会や試合のメンバー編成
・新規体験者の受け入れスケジュール など…
習い事の現場は、一人辞めるだけで流れが変わることがあります。
だからこそ、前もって知らせてもらえることは“協力”であり、“礼儀”でもあるのです。
そして、もうひとつ大切な視点があります。
先生は「辞める=関係が終わる」とは思っていません。
むしろ、
「ここまで通ってくれたことへの感謝」
「次のステップを応援したい気持ち」
を感じていることが多いのです。
特に教育に思いのある先生ほど、
親と子が“自分たちで選んだ区切り”を尊重します。
だから、あなたが伝える言葉は、こんなシンプルでいいのです。
「ここまで本当にありがとうございました。」
この一言には、
努力の時間、送り迎えの季節、成長の瞬間、全部が含まれています。
もし今、胸が少しだけ重いなら、こんな風に考えてください。
習い事をやめることは、
「縁を切る」ことではなく、「学びの形を変える」こと。
そして、
その選択ができるのは、親であるあなたの愛情と観察があるから。
やめることを伝えたその瞬間から、
あなたの心はきっと すこし軽くなり、前に進めるはずです。
やめると言いづらいうえで退会・休会の規約チェック——月謝・返金・締め日トラブルを防ぐ
「前月◯日まで」の壁——気づかないと翌月分が発生することも

習い事をやめるときに、実は一番トラブルが起きやすいのが、「退会の締め日」です。
多くの教室では、月謝は月ごとの契約になっており、退会の連絡は
「前月◯日までに」
と決められていることが多いのです。
でも、ここに 落とし穴があります。
例えば――
「3月いっぱいでやめたい」と思って、3月10日に連絡したとします。
すると、教室によっては
「2月◯日までに申し出が必要なので、4月分も月謝が発生します」
と言われることがあります。
「えっ……?」と固まりますよね。
気持ちは完全に“3月で一区切り”と思っていても、規約は淡々と動くのです。
しかし、これは決して「意地悪」ではありません。
教室側には、運営上の理由があるからです。
- 講師の配置
- 教材の準備
- 発表会や試合のメンバー構成
- レッスン枠の空き調整
- 新規体験の受け入れ予定
これらはすべて「何人が通うか」を前提に作られています。
だから、急な退会は、教室側にとっても困ることがあるのです。
そのため、
「前月◯日まで」のルールは、双方が無理なく進むための安全装置でもあります。
では、保護者として“損”をしないために、どう行動すればいいのでしょうか?
まずは 必ずここを確認してください:
□ 退会はいつまでに申し出ればいいか
□ 月謝の引き落とし日はいつか
□ 退会月の月謝は日割りになるか or 1ヶ月分か
□ 休会制度があるか
これだけで、多くの混乱は防げます。
特に、
日割りがない場合は「区切りの月」を意識することが大切です。
例:
「4月から生活が変わる」 → 退会連絡は 2〜3月上旬
「受験期に合わせたい」 → 夏休み前にスケジュールを再設計
未来の生活の変化を予見して“早めに動く”ことが、心とお金の余裕につながります。
そして、ここでもう一つ大切なこと。
「やめます」と決断した瞬間に、気持ちがラクになるということです。
「まだ言えていない…」
「言いづらい…」
「ちょっとタイミング逃した…」
この“宙ぶらりん”の状態こそ、心が疲れる原因。
早めに伝えることは、自分を大切にすることでもあるんです。
もし今、あなたの心が少しモヤっとしていたら、こう問いかけてみてください。
「今の生活と子どもの様子に、続けていく余白はある?」
もし答えが「うーん…」なら、
その直感は、もう 区切りのサインかもしれません。
習い事をやめることは、
後ろ向きではなく、次のステージに向かう準備です。
大丈夫。
あなたはちゃんと、丁寧に選んでいます。
無料体験/最低在籍期間/解約料の条項を確認する
習い事をやめるときに、もうひとつ気をつけたいのが、契約まわりの細かい条項です。
実はここに、あとから「え…そんなはずじゃ…」につながるポイントが潜んでいます。
習い事を「やめる」と言いづらい背景には、「お金のことでもめたくない」という気持ちもありますよね。
だからこそ、先に確認しておくことで、心がスッと軽くなります。
まず見ておきたいのは、無料体験の規約。
多くの教室が「無料体験OK」とうたっていますが、
中には「体験後◯ヶ月以上在籍が条件」としているところもあります。
そのため、
- 無料体験 → 入会 → すぐ退会
という流れができない場合があります。
ここを知らないまま「やっぱり合わないかも…」となると、
気まずさや負担感が生まれ、さらに“言いづらい”が増えてしまうのです。
次に確認するのは、最低在籍期間。
たとえば、
- 3ヶ月以上継続が前提
- 発表会・大会まで参加が条件
- 月途中の退会は不可、翌月以降扱い
といったルールが載っていることがあります。
これらは、教室が安定運営するための仕組みであり、
保護者が「悪い」とか「やめにくくされている」というわけではありません。
ただ、知らないとこちらが損をしてしまうことがあるので、
あらかじめ把握しておくことが大切です。
そして三つ目が、解約料(退会手数料)の有無。
「え、習い事にそんなものあるの…?」
と思われるかもしれませんが、
オンライン教材・英語教室・通信教育系などは、
入会特典や初月割引の代わりに、解約ルールが細かいことがあるのです。
ここまで読むと、もしかしたらこう感じたかもしれません。
「確認すること、多いなぁ…。」
でも、これらは一度チェックしてしまえば、
“やめると決めたときに迷わない”安心材料になります。
そしてこの確認は、
あなたが悪者になるのを防ぐための“自分を守る準備”です。
不思議なことですが、
「仕組みを理解し、整理できた瞬間」
習い事をやめる決断は、急に怖くなくなります。
それは、
情報は気持ちを支えるから。
あなたは、今とこれからをちゃんと考えています。
その選択は、まっすぐで、優しくて、強いものです。
連絡は“記録に残す”——口頭だけにしないための工夫

習い事をやめるとき、もっとも心を軽くしてくれるのが、「記録に残す」という意識です。
「口頭で言ったはず…」
「聞いていないと言われた…」
そんなすれ違いは、どちらの心にも小さな傷を残します。
そしてその“モヤモヤ”こそが、習い事をやめるのが言いづらい原因を大きくしていくのです。
ですが、方法はとてもシンプルです。
対面または電話で伝えた後に、必ず短いメッセージで確認する。
それだけで、あなたの心は見違えるほどラクになります。
たとえば、対面で伝えた後にはこう送ります。
◯◯先生
本日はお時間いただきありがとうございました。
◯月末で退会させていただくこと、改めてご連絡いたします。
残りの期間もどうぞよろしくお願いいたします。
この一行があるだけで、
・言った
・伝わった
・いつまでか
が、双方で共有された確かな記録になります。
逆に、口頭だけで伝えると、
- 「◯月末って言ってたっけ?」
- 「来月もレッスンある?」
- 「月謝の引き落としはどうなるんだろう…」
といった “不確かさ” が心に居座ります。
人は“曖昧なまま”が一番つらい。
だからこそ、言葉を文字に残すことで、安心と明確さが生まれるのです。
特に、以下のようなときは必ずメッセージで記録を残すのがおすすめです。
- 電話で退会を伝えたとき
- 締め日が近いとき
- 月謝・振替・教材費の精算が発生しそうなとき
- 複数の担当者がいる習い事の場合(英会話・学習塾など)
記録があると、
「言った」「言わない」
の感情的なやり取りを避けることができます。
これは、あなたの気持ちを守るだけでなく、先生を守ることにもなります。
先生も、確認しやすくなり、共有がしやすくなり、ミスを防げます。
つまり、双方にとっての安心の仕組みなんです。
もうひとつ、心が軽くなる視点があります。
記録を残す=慎重・堅苦しい ではない
ということ。
これは、
「丁寧に関係を結んできたからこそ、最後まで丁寧にしたい」
という、あなたの優しさの表れです。
やめる=冷たい
ではありません。
やめる=一区切り
です。
そして、その区切り方が丁寧なほど、あなたの心はスッと晴れていきます。
もし今、こんな気持ちが胸の中にありませんか?
- 「もう言うのが重い…」
- 「タイミングを逃している…」
- 「気まずくなるのは避けたい…」
その気持ちは、あなたが人を大事にできる人だという証拠です。
だからこそ、
口頭 + 軽い記録
この2つをセットにするだけで、心の負担は驚くほど小さくなります。
引き落とし日・締め日・事務手数料の確認も忘れずに
習い事をやめると決めたとき、最後に確認しておくと心が本当にラクになるのが、お金に関するスケジュールです。
「これ、ちゃんと払った?」「いつまで発生するの?」
ここが曖昧なままだと、あとで “不意打ちの請求” のように感じてしまい、気持ちがザワつきます。
習い事を「言いづらい」「やめづらい」と感じるのは、実はこの見えない不安が大きいのです。
けれど、確認するポイントはとてもシンプル。
まずはこの3つだけ押さえれば大丈夫です。
① 月謝の引き落とし日はいつか
② 退会の締め日はいつか
③ 事務手数料や精算費は発生するか
■ ① 月謝の引き落とし日
銀行引き落としは、翌月分を前月に引き落とすケースが多いです。
たとえば「3月末でやめたい」と思っても、2月末時点で3月分がもう引き落とされていることがあります。
→ 「あれ?払う必要なかったのに…」 という誤解を防ぐためにも、ここは先に把握しておきましょう。
■ ② 退会の締め日
前のH3でも触れましたが、**「前月◯日までに申し出」**の形は本当に多いです。
締め日を過ぎると、退会は翌月扱いになります。
つまり、
「やめる」と決めた月に連絡するのでは遅いことがあるということ。
→ 「ちょうど今が“動くタイミング”かどうか」を判断する材料にもなります。
■ ③ 事務手数料・教材費の精算
教室によっては、
- 退会事務手数料
- テキスト・教材費の残額
- 発表会・大会の当落金
などが発生することがあります。
金額は小さいとしても、事前に知っておくことで心の準備ができるのが大きいポイントです。
ここで、ひとつ心が軽くなる視点をお伝えしたいのですが、
「確認すること」=相手を疑うこと ではありません。
それは、
あなたの生活を安定させるための“手続きの整え” です。
そして、手続きが整った瞬間、
習い事をやめることに対する 心の重さは一気に小さくなります。
曖昧さが消え、後悔も不安も減るからです。
あなたは今、
「子どもの状況」「生活の変化」「気持ちの重さ」
を丁寧に見つめて、決断しようとしています。
それは、立派な“親としての判断”です。
だからどうか、
自分を責める必要は、ひとつもありません。
ここまでの準備を整えたあなたは、
すでに 前に進む力を持っています。
習いごとのやめどきの見極め方
やめどきのサイン——表情・負担感・生活リズムの変化を見る
習い事をやめるか続けるか——一番悩むのは、実は「タイミング」ですよね。
「ここでやめたらもったいない?」
「もう少し頑張れるんじゃない?」
「ただの甘えだったらどうしよう…」
この迷いは、お子さんのことを大切に考えている証拠です。
でも、やめどきは「気合」ではなく、変化に現れます。
そしてその変化は、言葉よりも表情と生活に出てきます。
■ 表情の変化
レッスンへ向かう前に、
以前は楽しそうだったのに、最近は顔が曇りがち。
「行きたくない」と言葉に出さなくても、
玄関前で動きが止まる・準備が進まないのは、気持ちの信号です。
子どもは言葉で説明できなくても、
身体は正直なんですよね。
■ 負担感の変化
終わったあとの顔が、
「がんばった!」ではなく
ぐったり・無表情になっていることはありませんか?
習い事は、本来
「ちょっと大変だけど、できた!」
と感じられる場所であるはず。
もし今、
「やらされている」「義務になっている」
という雰囲気が強いなら、
それはペースを見直す時期かもしれません。
■ 生活リズムとのバランス
・宿題が終わらない
・寝るのが遅くなる
・休日まで疲れが抜けない
このように、習い事が生活を圧迫する形になってきたら、
心と身体が「少し休ませて」と言っているサインです。
続けることで成長する時期もありますが、
整えることで伸びる時期もあります。
問いかけさせてください。
今のお子さんは、どちらの時期に見えますか?
「少し疲れていそう」
と感じたなら、その直感はとても大切です。
親は、誰よりも子どもの変化に気づける存在だから。
習い事をやめることは、
後退でも、失敗でもありません。
それは、
「今の状態に合う学び方に切り替える」こと。
心と身体がしんどいまま続けるより、
一度立ち止まり、呼吸を整えるほうが、
子どもの“自分で進む力”が戻ってきます。
大丈夫です。
あなたは、ちゃんと“見て”います。
その気づきは、すでにやさしい選択につながっています。
新学期や季節の転換は見直しのチャンス
習い事をやめることを考えるとき、私たちはつい「今でいいのかな…」「もっと続けたほうが…」と迷いがちです。
でも、切り替えに適したタイミングというものがあります。
それが、新学期や季節の変わり目です。
なぜなら、生活のリズム・気温・学校のペース・気持ちの状態が、ちょうど自然に変わる時期だから。
習い事をやめるのが言いづらいと感じるのは、「変化に理由が必要」だとどこかで思っているからですが、季節や学期の区切りは、それだけで“理由”になるんです。
新学期は、子どもにとって生活の再編成が起こる時期です。
- 学校の先生が変わる
- クラスメイトが変わる
- 行事の予定が変わる
- 宿題や学習負担が変わる
この変化は、良くも悪くもペースが大きく揺れ動くタイミングです。
そのときに、習い事が生活にうまく馴染んでいるなら続けていい。
けれど、“生活が習い事に合わせられてしまっている” 感覚があるなら、それは少し立ち止まるサインです。
また、季節の変わり目も同じです。
- 春 → 活動が増えやすい
- 夏 → 体力が削られやすい
- 秋 → 集中しやすい
- 冬 → 疲れが溜まりやすい
このサイクルの中で、
「続けると負担が大きそうだな…」 と感じたときこそ、見直しの好機。
「ちょうどキリが良いので」
「新しい生活リズムに合わせて」
と伝えれば、自然で、丁寧で、角が立ちません。
そして、親子ともに気持ちに“余白”ができる時期に切り替えると、その後がスムーズです。
やめることを「終わり」ではなく、
“いったん整える”時間
としてとらえることができます。
そこからまた、
「これなら好きかも」
「もう一度やってみたい」
「別のやり方で続けたい」
と、“自分で選ぶ力”が戻ってくるのです。
もし、少し息が詰まるような感覚があるなら、
季節の転換や新学期は、あなたに味方するタイミングです。
習い事をやめることは、
後ろ向きではなく、
「いまの暮らしに合わせて柔らかく調整する」前向きな選択です。
あなたはその調整ができる人です。
落ち着いて、やさしく進んでいきましょう。
家庭学習の重要性——“やめる=学びが止まる”ではない
習い事をやめると決めるとき、多くのお母さんが胸の中にそっと抱えるのが、
「このまま成長が止まってしまうのでは…」
という不安です。
特に教育への思いがあるほど、
「続けること=良いこと」
「やめること=後退」
と思いやすいものです。
でも、本当は逆です。
やめることは、“学びを止める”ことではありません。
むしろ、
お子さんの“自分で進む力”が戻るきっかけになることが多いのです。
習い事の良さは、「環境」「刺激」「習慣」の3つにあります。
しかし、もし今その習い事が、
・義務になっている
・疲れの原因になっている
・親が声をかけないと動けない
こんな状態になっているとしたら、
それは 成長が“外から引っ張られている状態” になっています。
学びは、本来、中から湧くものです。
やめることで一度ペースが整うと、
その内側の“やってみたい”が、また顔を出します。
そして、ここでやさしく支えになるのが、
家庭でできる小さな学びのリズムです。
特別なことは必要ありません。
- 10分だけの音読や読み聞かせ
- 好きな図鑑や本に触れる時間
- 今日の出来事を短く言葉にしてみる
- 「できた」ことだけを一緒に振り返る
こうした小さな積み重ねは、
習い事のレッスンよりも、
子どもの“自分で伸びる力”を育てます。
親が教えようとしなくていいんです。
「いっしょに座る」「雰囲気をあたためる」 だけで十分です。
習い事をやめることは、
「止まる」ではなく、「余白を作って、また伸びられるように整える」こと。
そして、その余白の中で、
お子さんは自分のペースを取り戻します。
それは、
自立の始まりです。
あなたが今感じている迷いは、
お子さんをよく見ているからこそ生まれた、やさしい迷いです。
そしてその迷いに向き合えているあなたは、
すでにとてもいい選択ができています。
大丈夫です。
学びは止まりません。
親と子がいる場所には、いつでも学びがあります。
習い事を辞めると言いづらいあなたへ:まとめ
習い事をやめることを伝えるのは、簡単なことではありません。
それは、あなたが手を抜かず、子どもの成長と向き合ってきたからこそ、**「言いづらい」**のです。
でももう、あなたはここまで丁寧に考えてきました。
- 子どもの表情と生活の変化に気づいた
- タイミングと伝え方を整えた
- 規約や月謝の仕組みを理解した
- やめた後の“新しい学び方”も描けるようになった
それは、やさしくて、強い選択です。
習い事をやめることは、後ろ向きではありません。
むしろ、
「今の子どもにとって、ちょうどいい形に整える」
という前向きな決断です。
言葉にするときは、ただひとつだけ大切に。
感謝を先に、理由は短く、区切りを静かに。
それだけで十分です。
そして、やめた後は、
少し呼吸を深くして、
暮らしの中にゆっくりと余白をつくってください。
その余白は、
お子さんの心に、
「もう一度やってみよう」
という気持ちが育つ土のようなものです。
英語でも、学習でも、生活でも、
その“ゆるやかな再スタート”が、自立の始まりになります。
最後に、そっとお伝えします。
あなたは、ちゃんと見てきました。
ちゃんと悩みました。
ちゃんと考えました。
だからもう、
自信を持っていいです。
この選択は、まちがっていません。
あなたの手は、いつも子どもに向いています。
大丈夫。
ここからまた、ゆっくり育っていきます。
あなたとお子さんの未来は、ちゃんと続いています。
やさしく、あたたかい形で。
